0100 ヨルムンガンド 高橋慶太郎 | あなたの隣のマンガさん。(Ver.5)

0100 ヨルムンガンド 高橋慶太郎

★☆☆
少年兵ヨナは
肉親を殺した”武器”を憎んでいた
しかし運命のいたずらか
戦場でしか生きられなかった彼が
流れ着いたのは
武器商人ココ・ヘクマティアル率いる
私設部隊だった・・・

ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)/高橋 慶太郎

¥560
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静かな余韻を残すマンガさんです
突然ですがマンガ表現には
2つの派閥があると思います
描き込む派と描き込まない派です
このマンガさんはサンデーGXという
雑誌に掲載されていますが
面白い対比があるので紹介します
ブラックラグーンという
マンガさんです
どちらも優れたガンアクションで
読者を魅了するマンガさんですが
そのアプローチの仕方が好対照で
しかも同じ掲載誌と二重に面白いです
描き込む派については
ブラックラグーンを紹介する際に
話をするとして
今回は描き込まない派の話

描き込まない派というのは
わかりやすくいえば
説明を詳しくしないということです
わかる人にはわかると
割り切ってしまう
少しややこしい話ですが
例えば
主人公が銃を撃ち敵を倒した
というシーンが必要だとします
この場合あなたなら
どの様にコマ割りを作りますか?
これはごく単純な質問でありながら
すごく答えるのが難しい質問です
いっておきますが正解はありません
多くのコマを使用し
多くのページ数を使って
表現することもできますし
極端にいえば
1コマで表現することもできます
一般的に
コマを多く使えば使うほど
詳しい説明が可能であり
物語の厚みをより楽に出せますが
スピード感は犠牲になりますし
そもそもページ数には限りがあります
重要なポイントに絞って描くこと
つまりこの例でいえば
①敵と向き合う主人公
②銃を構える
③撃つ
④弾に当たる敵
⑤倒れる敵
⑥勝ち誇る主人公
とコマを分けるのが
常識的で過不足のないセンでしょう
(当然場面によって変化しますよ?)
しかし描き込まない派は
この常識的な数のコマを
バッサリ切ってしまう
それこそ⑥だけで表現とかしちゃう
④だけとか、①だけとかやっちゃう
常識的で説明的なコマを省きながら
その意味を充分に伝えることは
非常に難しくて
何よりセンスがいる
下手な人ほどコマを多く使い
うまくなるほど少なくできますが
技術である程度コマを減らせても
さらに先に行くためにはセンスがいる
(説明ベタな人のトークみたいです)
できたらかっこいいけども
失敗したら恥ずかしいし
伝わらないことが怖い
だからやらない
というようになりますね、普通は

えーと、ながなが説明してきましたが
(つまりワタシはセンスレス)
ヨルムンガンドの作者さん
このセンスってヤツがあるんですね
そしてそのセンスを表現する技術が
追いついた
(前作は説明不足が目立つコマ割り
つまりは力不足)
ですからこのマンガさん
スピード感のある表現
コマやページの流れ
セリフ回し
大変かっこいいです




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オーディナリィー± (サンデーGXコミックス)/高橋 慶太郎

ブラック・ラグーン 1 (サンデーGXコミックス)/広江 礼威