オバマ大統領「SEALS」によるソマリア海賊からの救出に成功 | RE:SUKI

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考えましょう

アフリカ東部ソマリア沖で、アメリカの貨物船「Maersk Alabama」(マースク・アラバマ)が海賊に乗っ取られていました。人質となっていた、Captain Richard Phillips(リチャード・フィリップス船長)が無事救出されたと報道されています。


AK-47自動小銃とピストルで武装した海賊による、5日間にも及んだ船長の拘束は、アメリカ海軍特殊部隊「SEALS」の急襲により、打破されました。オバマ大統領は、船長の身に危険が及ぶ可能性がある場合は、海賊の射殺を許可していました。


その結果、アメリカのミサイル巡洋艦「Bainbridge」(ベインブリッジ)では、銃を向けられる船長の姿を、キャプテンが危機的状況と判断し、スナイパーが4人の海賊のうち3人を射殺、1名を拘束しました。


“The captain’s life was in immediate danger,”

「船長の生命には、差し迫った危険がありました」


その後、USS Boxer(強襲揚陸艦)で、船長は救出されました。ソマリア沖でアメリカ人が人質となる事件は、今回が最初のケースであり、オバマ大統領の危機管理能力が問われていた人質事件でもありました。


船員を隠れさせ、その命を自らが人質になることで救い、一度自力で逃げるも再び海賊に捕まったフィリップス船長でしたが、アメリカ海軍「SEALS」の一瞬の判断で命が救われたということです。


4月10日にも、フランスのヨットが海賊に襲われ、子供1人を含む人質5人の救出作戦がフランス特殊部隊により行われましたが、1名の人質(オーナー)が死亡するという結果になっていました。


そして、現在もイタリアの「Buccaneer」 という船が、16人のクルーを乗せたまま海賊に襲われ、ソマリア方面に向かっている模様です。多くの事件が起こっています。


ソマリアの海賊は、貧しく仕事を失った人々が行っています。ソマリアの長い海岸沿いの村などに拠点を置き、活動をしています。


2008年だけで海賊により42隻が捕らえられているようです。昨年7月、日本の「ステラマリス」が襲われた際 には、200万ドル(当時約2億円1200万円)の身代金が支払われました。サウジアラビアの「シリウス・スター」 のケースでは300万ドル(2億7000万円)が支払われたようです。(関連報道)


それらの資金で、海賊は追跡装置や高速ボート、武器などを購入し、さらなる襲撃を繰り返しています。


オバマ大統領は、自らの身の安全より船員の身を心配した船長の解放を喜び、彼は、全てのアメリカの人々のモデルである、と伝えています。そして、海賊行為を阻止する為に関係諸国との連携を深め、海賊行為を行う人々への責任の重大さを伝えました。


"I share the country's admiration for the bravery of Capt. Phillips and his selfless concern for his crew,"

"His courage is a model for all Americans."

"We remain resolved to halt the rise of piracy in this region. To achieve that goal, we must continue to work with our partners to prevent future attacks, be prepared to interdict acts of piracy and ensure that those who commit acts of piracy are held accountable for their crimes,"


今回の事件、アメリカではTOPニュースとして報道されています。

日本の危機管理能力…、色々と考えさせられますね。


3月には日本の船も襲われましたが逃げ切っていましたね


↓関連映像ねこへび

海賊に襲われた場所とUS船舶 4月8日
2002年のソマリアの首都モガディシュ
Black Hawk Down

Somalian Pirates Captured by European Forces



ソマリアとアメリカで私の頭の中に浮かんだのは、1993年の映画"Black Hawk Down"「ブラックホーク・ダウン」です。クリントン政権時に、実際にソマリアの首都モガディシュで行われた作戦が、描かれていました。数百名から千名以上が亡くなったとされる出来事です。


米軍とソマリア民兵との戦いであり、18名の米兵などが亡くなったとされています。この結果により、アメリカはソマリアへの介入を諦めました。あの映像を観た人は、なんとなく私の言いたいことは分かると思います。


■ソマリア海賊が報復を伝える

「われわれは殺人を犯していない。身代金を要求していただけだ」「米国が友人を殺した。やつらはわれわれの新たな敵となった」。米海軍による救出作戦後、ソマリアの港町エイルなどを拠点とする複数の海賊はロイター通信の取材に激しい怒りを示し、「報復する」と明言した。(北海道新聞04/14 07:14)


歴史は繰り返す