■今号のスゴいPR事例■
さて、今号はアメリカ国民の胃袋を支えている(その一端を担っている)と
言っても過言ではない、ファーストフードチェーンのブランドランキングを
紹介したい。
先ごろ、JOURNALISTIC INC社の「QSR Magazine」という、ファーストフード
チェーン・レストラン関連のマガジンで、アメリカのファーストフード
チェーントップ50のランキングが発表された。
そこで、日本にもお馴染みまたは、意外にまだ馴染みのない上位にランク
された各社が、昨今どのような取り組みを行い、顧客の確保、売り上げUP、
店舗展開、ブランド力向上に努めてきたのか、その一端をお伝えしたい。
第一位:MCDONALD'S/マクドナルド
この一位は、「やはり、そうか!」と納得される皆さんが多いと思う。
日本でも、マクドナルドは日本各地あらゆる場所で見かけ、また日常的に
利用している人も多いが、本拠地アメリカでは、やはり、「マクドナルド」
と言えば、ファーストフードの代名詞かつ、代表的な存在だ。
今回は、そのファーストフード業界の巨人の、たゆまぬメニュー改善など
の努力が評価されている。
その中でも、「Real Fruit Smoothies」が高評価されている。
多分に昨今の消費者のヘルシー志向に反映された、フルーツや野菜を
メニューにより多く求めるようになってきている時勢に的確に反応
した結果だと、同社のトップシェフである、 Dan Coudreaut氏は
述べている。
また、さらに近頃同社が力を入れているのが、「Happy Meal」という、
Toy(おもちゃ)付きのセットメニューだ。同商品は、現在マクドナルド
の全売り上げの10%を占めており、同社としても、
「sit-and-stay-awhile=座ってしばらくとどまる」
ことを、顧客に提供できる同商品とそのスタンスを重視したいとしている。
確かに、このハッピーミールを購入し、子供に与えることで、親たちは
しばらくのんびりと食事や会話を楽しめるというのであれば、そんな
嬉しい付随効果はないかもしれない。
第二位:SUBWAY/サブウェイ
日本でも、徐々に店舗展開を増やし始めた感のある、フレッシュサンド
チェーンのサブウェイ。日本ではまだまだその影は薄いが、こちらアメリカ
では、本当に「よく見かける」。
ロードサイドのいたるところにサブウェイがあり、特に、インターステイト
ハイウェイ(フリーウェイ)の休憩エリアなどには、西海岸から東海岸に
いたるまで、あらゆるポイントで、このサブウェイもしくは、マクドナルド
が店舗展開されていた。
それもそのはず、実は店舗の数の上では、アメリカNo1はこのサブウェイ。
ちなみに、2010年の新店舗は816店舗で、これはサブウェイに続いて
新店舗展開を加速化している5社を合わせた数に匹敵する。
※以下5社
Dunkin' Donut 206/Five Guys 195/Jimmy Johns 162/Little Ceasers 159/
Chipotle 129 合計844店舗
そんな同社だが、フレッシュサンドへのこだわりから、メニューバリエーション
は比較的少なく、また競合他社に比べると、「価格が高い」イメージが先行
していた。
昨今の経済低迷の中で、消費者の財布のひもはきつくなる一方で、売り上げ
鈍化は同社にとっても課題だった。
そんな中で放たれたのが、「$5 Footlongs」と呼ばれる、成人男性の靴の
サイズほどもあろうかというかなり大きなサイズのサンドが、5ドルという
商品戦略だ。これは、価格重視志向の消費者の関心を惹き、同社の売り上げ
向上に貢献したとして評価されている。
一時は、期間限定とされていた同商品も、7種類はそのまま定番メニューとして
5ドルで販売が継続されている。
第3位:BURGER KING/バーガーキング
日本では、進出→撤退→再進出を果たした同社。アメリカでは、第一位の
マクドナルドと知名度、人気を二分するのが同社だ。
同社は昨年、朝食メニューへの積極展開で業界をリードしたことが評価
されている。
昨年、およそ11の朝食メニューを新投入。さらに、シアトルズベストコーヒー
と提携し、プレミアムコーヒーが、バーガーキングでも飲めるようになった。
さらに、新たな店舗コンセプトとして、「Whooper Bar」を展開。
こちらは、よりモダンで、「Playful」であることを、店舗のコンセプトと
しており、オープンキッチンが特徴。メニューは限定されているが、同社の
おひざ元であるフロリダの店舗では、ビールも販売されるなど、ファースト
フードチェーンとしては画期的な取り組みで注目を集めている。
※Whooper Bar
http://www.bk.com/en/us/campaigns/whopper-bar.html
第4位:WENDY'S/ウェンディズ
創業以来、ハンバーガーとチリにフライドポテトを看板に経営を徹底してきた
同社だったが、昨年、「Garden Sensation Salad」を導入。
35種類もあるサラダメニューから選んでセットにできるという、5ドルの
バリューメニューも展開。
また、同社のキャラクターでもある、赤毛の女の子ウェンディ自体にフォーカス
したマーケティングキャンペーンも開始するなど、これまでと一線を画した
取り組みが評価されている。
第5位:STARBUCKS/スターバックス
ロゴの刷新(多くの反感を買った)や店舗の淘汰など、どちらかというと
ネガティブなニュースが聞こえた感のある同社だが、その一方で新たな
取り組みも行い、そこが評価されている。
まずは、新店舗展開よりも既存店の価値向上、顧客満足向上を目指し、店舗
内wifi化を実施。さらに、一部店舗では、インテリアや雰囲気をより「モダン」
に作り替えたり、また、バースペースを設けたりという試みも実施。ちなみに
このバースペースでは実際にビールやワインを提供したそうだ。
さらに、販売するインスタントコーヒーのラインナップに「アイス」を加える
など、より多様な消費者のニーズに対応すべくマイナーチェンジを行った
ことがポイントを上げている。
第6位:Taco Bell/タコベル
アメリカでは、「メキシコ料理」をよく食べる。特に、中南部はその影響も
大きいであろうが、街中のレストランを見ても、ファーストフードチェーン
以外で多いのは、このメキシコ料理か、グリル/BBQ料理ではないかと思われる。
さて、そんなメキシコ料理の代表格、タコスを看板商品にしたタコベルは、
その低価格戦略でも知られている。
1個89セント~99セントのブリトーがその代表だ。
昨年同社では、競合他社が相次いで、5ドルミールパックを販売開始した
ことに追随し、「$5 Buck Box」なる商品もラインナップに緊急追加した。
とは言え、「安さ」では抜きんでた感のある同社だが、現在は、より
「健康的」で「お客様の満足」を高めるための施策に取り組んでいると
発表。例えば、2011年は全メニューでの塩分使用量を33%落とす
ことを目標として掲げている。また、店舗への新しい家具類の搬入、
店舗内wifi化の実施を約束している。
第7位:Dunkin' Donut/ダンキンドーナツ
日本では、ドーナツと言えば、ミスタードーナツが浮かぶが、アメリカで
ドーナツチェーンと言えば、このダンキンドーナツだ。
ロードサイド型店舗では、ドライブスルーも設けられ、まさにファースト
フード店舗。そんな同社は、「ドーナツ&コーヒー」を核に店舗展開を
行ってきたが、そのポリシーは変えないまでも、昨年は、新たに朝食
メニューへの参入、バリエーション拡充で話題となった。
Egg White Wraps、 Pancake Bites、 Bagel Twists、Waffle Sandwiches、
これらの商品はいずれも昨年投入された朝食用メニューだ。
実際に、同店舗を何度か利用したが、朝から夕方にかけての利用者が
圧倒的に多く、夜は閑散としている。
また、アメリカでは、スターバックスよりもダンキンドーナツのコーヒー
のほうが美味しいという支持者も多く、コーヒーだけのためにダンキン
ドーナツへという利用者も存在する。
以下、第8位がピザハット、第9位がKFC(ケンタッキーフライドチキン)、
そして第10位がSONIC(ソニック)と続く。
ちなみに、この第10位のソニックは、日本で知る人は数少ないファースト
フードチェーンかと思うが、ユニークなドリンクメニューを展開している。
これは、利用者が、いくつかのコンビネーションから選んで自分のカスタマイズ
ドリンクを作れるというもので、レモネード、ライムエードなどをベースに、
オレンジやストロベリー、バナナなどを組み合わせるものだ。
さて、今回の評価を見ると、各社とも新商品・新メニューの開発・販売を
絶えず続けていることが明らかである。また、消費者の「価格重視」や
「健康重視」といった志向、トレンドに敏感に反応することで、顧客から
のブランド評価を高めている。
ちなみに、全ランキングは以下で公開されているので、ご興味のある方は
ぜひご一覧頂きたい。
http://www.qsrmagazine.com/reports/top-50-sorted-rank
■今号のPRの切り口■
1)
新メニュー、新商品は話題作りに欠かせない。世の中のトレンドや消費者
意識を反映した商品戦略が功を奏す。
2)
商品そのものや価格設定のみならず、店舗、従業員など、消費者がブランド
を判断する要素は多種多様。
■今号の目ウロコ度■
3ウロコ
「Good wine needs no bush.」
=良い酒に看板不要
■More News and Trends/Editor's Eye■
・外国語(英語以外)でオーダーしたら無料で食事がもらえる!
ロゼッタストーンに対抗したい学習教材カンパニーのプロモーション
http://www.adrants.com/2011/08/know-a-foreign-language-living-language.php
・Wendy'sが新型店舗をテストラン。ファーストフードチェーンは、店舗内
改装がラッシュ!
http://www.qsrmagazine.com/news/wendy-s-tests-four-new-stores
・速報。「Back to school shopping」戦線はウォルマートが制す?
http://www.digitaljournal.com/pr/389395
■編集後記■
メルマガ読者の皆様、こんにちは。編集担当の秦泉寺です。
今回は、アメリカでこれ無しでは生きられない!(笑)人も多いであろう、
ファーストフードチェーンについてのトピックスをご紹介しました。
私も、日本では利用したことのなかった、ソニックや、Bojangles、
Chick-fil-Aなどを、利用してみましたが、それぞれに特徴があり、
なかなかユニークです。
ソニックは、本文中でも紹介したとおり、「アレンジメニュー」が多彩。
Bojanglesは、KFCのようなチキン中心のお店ですが、ここの「ビスケット」
は絶品でしたし、同社もそれを売りにしているようです。
またランキングでは11位のChick-fil-Aは、ファーストフードチェーン
らしからぬ、「日曜定休」のお店です。が、「Eat More Chicken」と牛の
イラストとともに発信されるメッセージはなかなかインパクトがあります。
近々、Arby'sにトライしてみたいと思っていますが、もともとファースト
フード嫌いな私には、アメリカファーストフード探訪はなかなかハードル
が高そうです。
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