スーパーボウルのCMでミスを犯した米GROUPON(グルーポン)社のクライシスマネジメント | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

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東北地方太平洋沖地震により、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げますと
ともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、心よりお悔やみを申し上げます。

今、被災していない私たちは被災者の方々への応援の意味も込めて元気に活動をすることが、
大切だと思います。自分たちにできることを精一杯やっていきましょう。

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※こちらは、スーパーピーアール社発行のメールマガジン「スーパー広報術」に寄稿した記事となります。


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■米GROUPON(グルーポン)がスーパーボウルにCM露出(1/2)

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こんにちは。林竜三です。



本日は、年末年始に日本で「おせち騒動」でメディアを騒がせたグルーポンが、

今度は、米本国でまたまたメディアをお騒がせしていたという話題です。




先月6日の日曜日は、スーパーボールの王座決定戦が開催され、試合前の下馬評

では分が悪かったグリーンベイパッカーズがピッツバーグスティーラーズを破り、

14年ぶり4回目の王座に就き、そのシーズンの幕を閉じました。





ちなみに米調査会社ニールセンによるとこの試合の視聴率は46.0%、米国テレビ

史上最多1億6290万人が視聴、米国の全人口は約3億875万人(2010年4月1日現在)

で、半数を上回る国民がテレビ観戦したことになるらしいです。(スゴい!)





このようにスーパーボールは、その観客動員数や注目率(視聴率)の高さから、

その1秒あたりの広告費単価は世界最高とも言われています。しかし、有効に

活用することができれば絶大なPR効果を得られることは言うまでもありません。





今年も、各車メーカーや、ペプシ、ドリトスなど様々な企業・ブランドの

趣向を凝らしたCMが放映されましたが、良い意味でその注目度と評価が

高かったのは、「フォルクス・ワーゲン」と言われています。


▽http://www.youtube.com/watch?v=R55e-uHQna0(VWのCM)






さて、そんな中、「悪い意味」でその注目度が高まってしまい、多額の費用

を投じたにも関わらず「酷評」されてしまったのが、「グル―ポン」でした。





御存知の通り、2008年11月に設立された同社は、ここ数年のうちに世界各国

で急成長を遂げています。





アメリカ国内では、似通ったサービスを提供するサイトが今や200近くもある

と言われており、利用者の囲い込み、使用頻度向上が課題となっています。



http://www.groupon.com/




【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-グルーポン







そんな中、300万ドル(約2億5000万円/30秒)とも言われる対価を払って、

今回同社はスーパーボールでのCM露出を行いました。





■ピンチをチャンスに変える!?(2/2)

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今回のCMには俳優のティモシー・ハットンを起用。チベットの風景を背景に

スタートするCMでは、その後「チベット山岳地帯。世界でも最も美しい場所

の一つ。しかし彼らは困難に直面し、文化は危険にさらされている」と続く。





http://bit.ly/gEY5iC(Super Bowl 2011 commercial: Groupon)





その後、背景はティモシー・ハットンがレストランのテーブルに着いた

場面へと展開。





そしてナレーションでは、「彼らは美味しいフィッシュ・カレー

を作っています。シカゴのチベット料理店では、グル―ポンで200人が

共同購入すると、チベット料理30ドルが15ドルに。」と続き、、、





最後に、「save the money」というテロップ。





その結果、このCMは放映直後から様々な批判、不快感を伝えるコメントが

ツイッター上で溢れかえり、炎上することに…。





その多くは、「チベット問題(民族問題)」を彷彿させる内容を、ジョーク

にして良いものではない!」というものでした。





しかし実は同社は、チベットからの亡命者に職業訓練を提供する団体の基金

をサポートする商品も同時に販売しており(30ドル分の寄付が15ドルで行える)、

そもそも、寄付や署名を集めるフィランソロピーサービスに端を発していたのです。





つまりグル―ポンを利用して節約できたお金を、こうした社会貢献活動に利用

してほしいという狙いもあったと言えなくはないのですが、視聴者に対して、

そこまでの背景やメッセージは残念ながら届けることができませんでした。





さて、2月6日に放映された同CM。批判が相次いだ後、同社のCEOは、2月10日付

の自身のブログで謝罪。また広告も取り下げるという判断と実行に出ました。





http://www.groupon.com/blog/cities/one-last-post-on-the-super-bowl/




【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例-グルポンCEOブログ








この迅速な対応で、さらなる炎上を食い止めた同社の反応は一方で評価され

ています。年末のおせち騒動でも米国CEOが早々にコメントを出すなど、

米グルーポンのクライシスマネジメント力はなかなかさすがだと思います。





日本でも米国でもきっかけとしては、ネガティブなかたちでニュースに

取上げられてしまいましたが、その後の迅速かつ誠実な危機管理対応が、

けがの功名、知名度アップの効果につながっているかもしれませんね。





☆──[ここがポイント]────────────────────┐

│ 1.今年のスーパーボウルは全米史上最大の視聴率。     
│ 2.謝罪は迅速かつ誠実に。                 
│ 3.クライシスマネジメントでピンチをチャンスに変える。  

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