【読書日記】なぜ若者は保守的になったのか?-「ヤンキー経済」 | ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~

【読書日記】なぜ若者は保守的になったのか?-「ヤンキー経済」

おはようございます。
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「ヤンキー経済」 原田曜平 幻冬舎新書


最近、ヤンキーを見なくなったな。
本書を読んで思いました。

私が学生の頃の渋谷には、
ギャングたちが大勢いました。
当時はナイロン製のウェアを着る
のが流行っていたと思います。
(シャカパンは、もう死語かも・・・)

ところが、ここ数年顕著なのは、
いわゆるヤンキーが減っている傾向
にあると、著者は指摘しています。

数が減っているだけでなく、
全般として穏やかになっている。
これを「マイルドヤンキー」と称し、
若者たちの行動を分析しています。

私は、この調査の対象として、
ギリギリ入るか入らないかのライン
の世代になりますが・・・

わかるような部分と、
理解できないような部分と、
入り混じっているという印象です。

例えば、マイルドヤンキーの特徴と
して、地元から出ないことを挙げて
いますが、思い当たる部分と、
そうでない部分があります。

『しかし、今は「東京か田舎か」といった単純な二項対立は成立しなくなっています。なぜなら、マイルドヤンキーの彼らは、「地元を出たくても出られない」のではなく、「絶対に地元を出たくない」からです。彼らが大事にしているのは、生まれ育った土地に根差した同年代の友人たちと、そこで育まれてきた絆意識、家族と地域を基盤とした毎日の平穏な生活。それこそが、彼らにとって最も価値あるものなのです。』(P26)

私は、実はほとんど地元での
付き合いがないので、実感できる
部分がちょっと少ないです。

今、付き合いのある人たちは、
ほぼ社会人になってから知り合って
いる人になります。
しかも、世代的にも同年代ではない
人のほうが多いです。

そういう意味で、自分も例外的な
部分があるかもしれません。
ただ、たまに会う地元の友人たちの
ことを思い浮かべると、思い当たる
節は確かにあるのです。

もう10年近く前になりますが・・・
20歳になったあと、小学校の同窓会
が開催されることになりました。
卒業して初めてなので、8年も時間が
経過したあとでの同窓会です。

驚いたのは、案外集まること。
しかも、当時はSNSがないので、
全部電話とメールでの告知です。

結構地元でつながっていたようで、
ほとんど縁のなかった私にも、
人づてに連絡が来ました。

ヤンキーかどうかに限らず、
今の時代でも地元のつながりは、
かなり強力だという例だと思います。

今のは10年前の事例ですが、
本書によれば、近年さらにそれは
強まっている傾向にあるとか。

『このように、彼らは新しい人間関係の積極的な開拓や、新しい土地での生活・習慣に馴染もうとする努力を徹底的に避け、地元で生活し、地元で消費することを選択しています。そしてその消費の内容は、地縁をキープすることを全ての前提としたものなのです。「若者は皆、とにかく金を使わない」「若者は皆、地元にはない新しい生活や人間関係や刺激やカルチャーを求めて、上京したいと思っている」そんな、上の世代が若者に対して抱く"定説"は、少なくともここ数年についてはまったく当てはまらないようです。』(P54)

私などは、学生時代からずっと、
横浜と東京を行き来しながら、
いろんな場所に出かけてきたので、
正直全く理解できません。

お金も、人間関係のために使って
いる部分が圧倒的に多いですし、
地元を出て都内に住んでいます。

上の世代の人が持つ印象は、
確かに間違っていると思いますが、
若者全体にこのような傾向があると
言うのはちょっと書きすぎのような
気がしないでもありません。

でも、部分的にはそのような傾向が
あることは間違いないと思います。
それは、次の文章を読むと納得します。

『バブルの頃、大人は「金の亡者」として、若者にとっては反抗すべき対象でした。ところがゼロ年代後半以降の大人は、完全にしょぼくれています。まったくもって、反抗するに値しない、脆弱な存在に成り下がりました。しかも、その大人たちの姿は、未来の自分の姿でもあるのです。高学歴で、かつ大手企業に勤める親でさえ、リストラの危機にある。不本意な職場に異動を余儀なくさせられている。報道からもそんな話ばかりが耳に入り、「いい会社に入れば一生安泰」など絶対にありえないことを、自分の両親やマスコミから学んでいるのです。』(P79)

大人に対する印象もそうですが、
実際の環境も然りです。
デフレ経済が続いた結果として、
街のチェーン化がどんどん進み、
均質的になってきています。

これを、三浦展さんは
「ファスト風土化」と呼びますが、
どこの街に行ってもイオンがあり、
ユニクロがあり、パチンコ店が、
コンビニが、回転寿司が・・・

といった感じです。
先日、私もニトリに行きましたが、
そこは若い世代の人で溢れていました。

ニトリはネットで一定額買うと、
送料が無料になって、実店舗で
買うと家具を買わなければ送料が
かかってしまいます。
(しかも買うほど高くなる!)

それを思い出したとき、
本書に書いてあることも、
まんざらではないと思いました。

マイルド化=保守的になるのは、
一部で言われているように、
不安が要因として占めている部分
も多いのかもしれません。

こういった傾向を掴むのは、
物を売るチャンスかもしれないし、
若者を動かすきっかけになるかも
しれません。

あくまで部分的な話ですが、
傾向を知るには良い本だと思います。










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ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)