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【読書日記】涙は心の特効薬!-「ポジティブ思考なんて捨ててしまいなさい!」

おはようございます。
本日の1冊はコチラ↓


「ポジティブ思考なんて捨ててしまいなさい!」
 
臼井由妃 学習研究社


この本は、出版元の学習研究社様よりご献本頂きました。
ありがとうございます!

さて、いきなり刺激的なタイトルです。
世の「成功本」を正面からぶった切る勢い。
臼井社長が伝えたいのは「成功とは何か?」を考え直しましょう。
ということだと思います。

この本では「成功」ではなく「成長」という言葉を使っています。
その真意は、他人と比べたり、短期的な考えで行動することはやめましょう、
ということにあります。

「虚実」
この言葉が、今回のキーワードです。
一言で表すと、実体のあることとないこと。
この「実」に則って歩むことが「成長法則」である。
「成功法則」ではなく、「成長法則」です。

私は「適当」という言葉をよく使います。
あまり良いイメージを抱かれていませんが、本当の意味は
「うまくあてはまること。ちょうどよいこと」です。
つまり「適度に当てはまる=適当」ですね。

臼井社長の言う「成長法則」のキモは、この「適当」にあると思います。
無理をして「成功法則」を信仰して・・・
それで成功する人もいるし、逆に疲れてしまう人もいます。
あまりに「成功法則」信者になってしまうと、それは「虚」の世界で生きることに
なってしまいます。

逆に、もっと地に足のついた生活をしましょう。
「実」の世界=「現実」を見ましょう。
まえがきにも、こう書いてあります。

「ここでいう『成長』というのは、私が実際に生きてきた過程です。」(P9)

幸せに成長していくための「成長法則」。
これを、臼井社長の「実体験」に基づいて書かれています。


この本を読み終わったとき、私はあることを思い出しました。
それは「大玉転がし」です。

「私」という1つの大玉を転がしていきます。
その過程で、悩みとか不安とか、いろんなものが付着してきます。
すると、転がりが悪くなってきます。

そこで、こういう選択肢が出てきます。
「アクセルを踏み込む」か「ブレーキを掛ける」か。
前者を選べば、一気に苦難を突破できるかもしれません。
でも失敗すると、無理がたたって潰れてしまうかもしれません。

そこで後者、「ブレーキを掛ける」という選択も必要です。
立ち止まって、一度付着したものを洗い流してみる。
臼井社長が紹介されているのは「泣くこと」です。
涙で心を洗い流して・・・

いろんなものが取れると、また元の大玉が顔を出します。
それは、きっと一回り大きくなっているはず。
涙のあとに残ったのが「実」の自分で、
悩んだり苦しんだり、喜んだり笑ったり・・・
心の大玉を少しずつ大きくしていくことが「成長」ではないかと。

そんなイメージが、私の中で描かれました。

大玉は、時にまっすぐ転がらなかったり、溝にはまってしまうこともあります。
そのとき、助けてくれる人がいるかどうか。
逆に、自分は助けてあげられるかどうか。

「豊かさは、あなたがどれだけの人を幸せにしたかで決まる」(P209)

短期的な「成功」ではなくて、もっと大切なことがあります。
それが「人間的な魅力」なのではないでしょうか。

ここで、名著「モモ」 の一節を思い出しました。
主人公モモの親友で、観光ガイドのジジが言った言葉です。

「その気になれば、金もちになるのなんか、かんたんさ。
でもな、ちっとばかりいいくらしをするために、
いのちもたましいも売りわたしちまったやつらを見てみろよ!
おれはいやだな、そんなやり方は。
たとえ一ぱいのコーヒー代に事欠くことがあっても
-ジジはやっぱりジジのままでいたいよ!」
(「モモ」 岩波少年文庫 P58-59)

とても「虚実」について、端的に表していると思いませんか?
そうやって自分に素直になれる人が「人間的な魅力」を身につけられる。
臼井社長の言葉を借りると「普段着で生きる」ことが、
地に足の着いた「実」の世界で生き、成長できるのではないでしょうか。


あまり「成功本」は好きじゃない、という方。
「成功本」は読んだけど、いまいちピンと来ない方。
本から元気をもらいたい方。

ぜひ読んでみて下さい!



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