【読書日記】絶対に読み返したくなる本-「イニシエーション・ラブ」 | ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~

【読書日記】絶対に読み返したくなる本-「イニシエーション・ラブ」

おはようございます。

本日の1冊はコチラ↓



「イニシエーション・ラブ」 乾くるみ 文春文庫



読み終わる直前、そのたった2行でミステリーに突入する。

「えっ、何?何??」

そして、自然とパラパラとページを逆戻りしている自分がいる・・・


内容としては、一言で言えば恋愛小説。

大学4年生と社会人1年目の歯科衛生士の物語。

出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席で、

主人公の男、鈴木の一目惚れから話はスタートします。


舞台は1980年代?

懐かしいテレビ番組の名前、ファミコンやカセットテープが登場したり、

JRのことを「国電」って言ったり・・・

電話も公衆電話から掛けていて、逆に新鮮さがありました。


合コンのメンバーは4対4。

息が合ったのか、その後も「男女”8人”物語」さながら、

海水浴に行ったり、テニスに行ったり・・・

その中で、2人は恋に落ちていく。


実はどちらも、初めて付き合う同士。

そのドキドキ感を一緒に味わったり、微妙な距離感にソワソワしたり。

でもそれが埋まっていくのが分かると、妙に嬉しくなったりする。

彼女の名前、「成岡繭子」って名前を最初「成岡さん」って呼んでいたのが、

勇気を出して「マユちゃん」って呼んでみるのに、

気付いたら「マユ」って呼んでて・・・

その変化に「おっ」なんて一人で思わず呟いちゃう。


好きな女性のために、メガネをコンタクトに変え、

おしゃれにも気を遣い、車の免許も取得し、

車まで買ってしまう。

そしてプレゼントに悩んだり、記念日のシチュエーションを考えたり、

気付いたら自分の中心は彼女になっていた。


でもそれは、彼にとって「イニシエーション(通過儀礼)」であった。

彼女との楽しい日々が、彼の男性的な魅力を増していたようで・・・


就職してすぐ、彼は東京へ転勤になってしまう。

それでも頑張って電話をしたり、毎週彼女に会いに行ったり。

でもそれは、長続きしないで・・・

よくある遠距離恋愛の終わりを迎えてしまう。

結果的に「イニシエーション・ラブ」となって。



内容的にはシンプルなストーリーで、主要な登場人物も3人。

そのぶん主人公の心理が細かく描写されていて、

それに一喜一憂したり、変な緊張感を持って読んでしまいました。


恋愛が「イニシエーション」だった、って言われると少し切ないけど、

それって確かだな~とも思います。

人間的に成長させてくれるし、一方で人間を変えてしまうパワーをも持っていて。


主人公は、その両者を持ってしまい、

彼女との距離、離れ離れの時間がそれに拍車を掛けてしまったのだと思います。

そして最後の2行に繋がっていく・・・

どこでそうなってしまったんだろう??

思わずページと共に、時間を逆流させてしまいます。



この本の各章、全て昔の歌のタイトルになっています。

目次もカセットテープのA面とB面になってて面白い!

「ルビーの指環」の章なんて、歌詞と重なり合うし。


もし気になった方は、絶対に最後の2行は先に読まないで下さい。

最初から読み進めていけば、

一番最後にミステリーが始まることは間違いないです。


読み終わってすぐ思ったこと。

今は普通のi-Podとかも、カセットみたいに将来なってるのかな・・・

そしてドラマも「オレンジデイズ」とか「ラストフレンズ」とか??

なんて無駄なことを考えてしまいました。

今起きてることも、その頃には「イニシエーション」なんだろうな~、

って思うと、ちょっと感傷的な気持ちになりました。




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