外資規制 | ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~

外資規制

今朝はまじめな話でも。


経済産業省が、電源開発(Jパワー)に対して20%まで出資を拡大しようとしているイギリスのファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)の株買い増しを拒否しようとしている問題。


何が問題かという前に・・・

外国為替及び外国貿易法(外為法)で指定業種の企業株を1社で10%以上買う場合、政府に事前届出が義務付けられ、政府が問題と判断した場合にはその変更・中止の命令ができます。

指定業種は、電力・武器・航空機・原子力・通信など国家の安全保障を損なう恐れのある業種。

つい最近、政府は空港会社への導入も目指しましたね。


Jパワーは、日本最大の電力卸の企業で、日本の主要電力会社に電気を供給しています。

もともとは戦後復興時の電力供給のための特殊会社として設立され、2003年に民営化、翌年東証1部に上場じました。

全国に67ヶ所の発電所を持ち、水力発電は日本一。

地域間の電力供給網を持っているため、昨年の新潟の大地震のときには、関西から東京電力への電力供給もしていました。

現在、青森に大間原子力発電所を建設しています。



TCIは、すでに規制ぎりぎりの9.9%まで株を持っています。

まだまだ割安だということで、買い増す意向を表明しているわけです。

アクティビスト・ファンドとして、配当の倍増を要求しています。



ここで、外国人だからということで、安易に規制を強化してよいかということです。

日本の株式市場は、売買代金ベースで約6割が外国人。

サブプライムで大きな影響を受けていない日本が、先進国で下から2番目の株価下落となったのは、外国人投資家が日本市場から退場したことに他なりません。

日本の株価下落要因は、政治にあると言っても過言ではないと私は思います。


経産省は、「日本の規制は諸外国の外資規制と比べて遜色ないレベル」と言っているようですが・・・

本質からずれているみたいですね。

要は、規制が云々ではなく、審査の透明性が求められているわけです。

基準は曖昧、そもそも「安全保障上の問題」とは何でしょう?

Jパワーの経営陣に、経産省のOBが2人いるというのに、基準を明確にしないまま外資はNo!と言うのは説得力がないですね。


日本国内は、商機がどんどん減少していきます。

世界は今、環境ビジネスブームであり、新興国でもインフラ整備が進んでいます。

海外比率が10%未満のJパワーにとって、国外への事業拡大は必須だと思います。

外国資本を受け入れることも必要ではないでしょうか。



気になるのは、経産省のほうですね。

あまり大きなニュースにはなっていませんが、水処理事業には外資の手が入っています。

自治体からの上下水道の運営を受託している西原環境テクノロジーは、既に世界最大の水道会社・ヴェオリア・ウォーター(フランス)傘下にいるのですから。

水道はよくて、電気はダメなんでしょうか・・・