はじめてでもわかる「樽酒」の開け方 | 伊豆の中心で愛を酒ブログ★杉山商店日記

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伊豆の国市で酒屋の店長をしている、すぎちゃんこと杉山雅一がお酒や趣味のアレコレ、そして伊豆の魅力をお伝えします。

こんばんは! 伊豆の国市にある酒屋、
「お酒と食」のセレクトショップ 杉山商店の杉山雅一です。

昨日は、地元の消防団の式典で「樽酒」の納品をさせていただきました。
それと並行して、樽酒の「鏡開き(鏡割り)」の準備も行いました。

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そこで、今回は「樽酒の開け方」についてご説明したいと思います。

始めに、樽酒の開封はそれなりの準備と時間がかかります。
開けるだけでも、およそ20~30分を目安にしてください。

なぜ、そんなに掛るのかは、工程の説明でわかると思います。
なので、イベントの開始時刻よりも早めの準備が重要です。

まず開けるのに必要な道具の準備です。
道具は以下の通り。

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大きめのカッター
良く切れるハサミ
③かなずち(ハンマー)
④厚さ1㎝位の木の板
(かまぼこ板のような)
⑤バール(大きめのものでも良い)
 
それでは、いよいよ開け方の工程です。

まずは樽酒の上部の「太い縄」と「細い縄」を切っていきます。

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 写真の赤線の部分を目安に円形にカット。

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太い縄はカッターを使うと良いでしょう。
下の細い縄もカッターかハサミで切っていきます。

細い縄はすべて外して下さい。

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そして、ハサミで余分な部分を丁寧にカットしていきます。
(カットした部分はバラバラになるので、ゴミ袋があると良いでしょう)

切り終わったら、あまりの布の部分を樽の内側に折って入れ込む。

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ここからが大変な作業です!

上の写真のように、樽の上部の蓋は・・・
①と②のように上下2か所を「竹の輪」で締めつけて固定されています

この部分を下にずらさない事には開けられません。

そこで、「かまぼこ板」のような板と「かなずち(ハンマー)」の出番です。

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まずは、下段の①の部分の竹の輪を下にずらしてきます。
かまぼこ板を当ててハンマーで叩き、少しづつ下にずらす。
樽の周りを一周ぐるりと、まんべんなく叩いて回ります。

何周か地道にコツコツと叩いて・・・

下段の①の竹の輪が「約1㎝」下に動いたら、
上段の②の竹の輪も同じように下にずらして下さい。

※あまり下にずらしすぎると、中の酒が漏れる恐れがあるので注意。

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 これまた、コツコツと地道に叩いて回ります。

そして・・・

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2か所の竹の輪が「約1㎝」下にずれたら、この工程は完了です。
(赤の矢印を参照)

お疲れさまでした(笑)
ここの作業が一番大変なところ、根気強く頑張りましょう。
冒頭で述べた、樽酒を開けるのに時間がかかるのはこのためです。
この作業に15~20分かかると思ってください。(初めての場合は特に)

ここまで来たら、あともう少しです!

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上部の蓋に付いている栓のフチ(周り)を「ハンマー」で、これまた円を描くようにまんべんなく叩いていきます。

栓がゆるくなってきたら、外して下さい。

そして、いよいよ蓋を開ける工程です。

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蓋の片側の溝にバールを差し込み、テコの原理で少しずつ開けていきます。

溝にバールが、なかなか入らない場合はハンマーで少しバールを叩くと入ります。

この工程も、慎重に行いましょう。
なぜなら、蓋の木くずが酒に入ってしまうからです。

そして、なんとか蓋が浮き上がりゆるく感じたらもう大丈夫!

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そっと丁寧に開けてください。

蓋の部分は、だいたい3等分に割れるようになっていますので、
切れ目の部分を探して、その部分を引き離すか、折り曲げて分解してください。

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そして、分解した蓋を上の写真のように、酒の中に落ちないように並べてください。

後で「鏡開き(鏡割り)」が綺麗に出来るように、少し緩めに並べるのがポイントです。

以上で準備が整いました!

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鏡割りをする「木槌」はもちろんの事、
桝(マス)や竹杓(たけじゃく)があると、とても雰囲気がよく鏡開きの場が引き締まります。

最近ではあまり「樽酒」でお祝いする事も少なくなったと思いますが、

いざ樽酒をお使いになる時、または開け方がわからない時に、
お役立ちいただけたら光栄です♪

それでは、今日も素敵なお酒の場をお楽しみください!



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