「慢性炎症」が、メタボリックシンドローム、がん、自己免疫疾患といったさまざまな疾患に共通する基盤病態となっていることがわかってきた
C 型肝炎ウイルス感染と肝臓がん、ヒトパピローマウイルス感染と子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染と胃がん、住血吸虫感染と膀胱がんといったように、がんの症例の一部に感染症が関与していること、慢性潰瘍性大腸炎やクローン病と大腸がんのように自己免疫疾患による炎症の一部も発がんにつながること、胃液の逆流による逆流性食道炎のような単純な炎症でもがん(食道がん)を発症させうることなどが、分子レベルで明らかになってきた。
(nature reviews より一部引用)
歯周病は日本国民の45歳以上の9割が罹患していると言われる疾患で、まさに国民病といわれる慢性炎症である。
最近歯周病とメタボリックシンドロームの関連が明らかにされ、メタボの予防と治療のために歯周病治療の重要性が注目されている。
さらに歯周病と癌の関連を唱える学者は遺伝子レベルで発がん性を示唆し、歯周病菌ががん細胞の増殖促進のための毛細管増殖を引き起こすことなどを主張している
歯周病はほかにも動脈硬化症や掌蹠膿疱症の関連も示唆され上図の五角形の中心に位置する可能性が考えられている
以上のような観点からこれまで口腔内の慢性疾患と思われてきた歯周病が全身にさまざまな悪影響を及ぼすことが解明され、その予防と治療が重視される