きょうの料理(NHK) 2017年3月22日(水)放送
谷原章介のTimeless Kitchen 「あさりのコンソメ」
長い年月を料理と向き合い、今もなお色あせることのない味を伝え続ける
達人たちのキッチン。谷原章介さんが、そんなベテラン料理研究家のお宅に訪問する新シリーズが「谷原章介のTimeless Kitchen」 です。
今回、谷原さんが訪ねるキッチンは、「いのちのスープ」で知られる辰巳芳子さんの自宅です
。長きに渡り日本料理と西洋料理の考え方を融合させながら、四季折々の食材を生かす料理法を探求してきました。
1年で一番おいしい季節を迎えるのが「あさり」です。そのうまみや栄養を凝縮させた「あさりのコンソメ」はいのちのスープとも呼ばれる辰巳さん
渾身のレシピです。自然の恵みが持つ力を余すことなくいただく方法を教わります。
辰巳芳子 「あさりのコンソメ」
あさりを貝殻ごとじっくり煮出したコンソメスープ。旬のあさりの滋養が
凝縮されています。
●あさりのコンソメ
材料(作りやすい分量)
・あさり 1kg
・塩 適量
・レモン(国産/厚めの輪切り) 1~2枚
・白ワイン(または酒) カップ1
香味野菜(ミルポワ)
・たまねぎ 120g
・セロリ(茎のみ) 80g
・にんじん 80g
・パセリの軸 数本
・白こしょう(粒) 5~6粒
・ローリエ 1枚
<作り方>
1 あさりの砂抜きをする
あさりはたっぷりの塩水(3.5%程度)につけ、暗くて涼しいところに
数時間おいて、砂をはかせる。
2 砂抜きしたあさりを手にとり、塩をふってあさり同士をこすり合わせる。水をはったボウルに入れ、洗う。これを3回繰り返し、塩でこすりながら洗う。洗った水が濁らなくなるのが目安。
3 あさりをボウルに入れ、ヒタヒタの水を注ぎ、レモンの輪切り1~2枚を絞ってレモン汁をかけ、絞ったレモンをのせる。あさりの生ぐさみをとる
ために約10分間おいておく。その後ザルに上げて水気をきっておく。
4 たまねぎ、セロリ、にんじんは2~3mmの薄切りにして、サッと水洗いし、水気をきる。
5 鍋に水気をきったあさりを入る。白ワイン(または酒)カップ1 を回し入れ、フタをして火力全開を10とすると、8の火にかける。
6 3~4分後、殻があいたら、水1~1.5リットル(貝の3cm上くらい)、4の野菜、パセリの軸(数本)、白こしょう(粒)5~6粒、ローリエ(1枚)を加えて再び沸騰させ、アクを取る。
7 火を弱めて、液面がフツフツする程度の火加減を保ち、30分間煮る。
※香味野菜(ミルボワ)と一緒に煮ることであさりのクセが抑えられ、野菜のやさしい風味がプラスされる。
8 汁のうまみを感じたら火を止め、紙タオル(不織布タイプ)を敷いた
ザルでこす。鍋に移して煮立たせないように弱火で火を入れたら完成です。
※あさりのコンソメはみそを溶いていただくのもおすすめです。あさりの
コンソメにみそ適量を入れて火にかけると、いつもとはひと味違うあさりのみそ汁ができあがります。
<スープをとったあとのあさりの身を活用する>
辰巳芳子 あさりの甘辛煮
1kgもの貝を炊くと、汁をとったあと身がたくさん残ります。残った身はうす甘辛い下味をつけてて炊いておくと、おかずの具材として重宝します。
●あさりの甘辛煮
材料(作りやすい分量)
・あさりの身(コンソメを作ったあとのもの) 全量
・酒・みりん・しょうゆ 各適量
・あさりのコンソメ 適量
<作り方>
1 火かける前の鍋にあさりの身を入れ、酒(適量)を回しかける。酒の2/3くらいのみりん、しょうゆを加え、あさりのコンソメ(適量)を入れ、1分ほど煮る。
2 冷蔵庫に入れ一晩おいて味を含ませたら完成です。うす味なのでおかずの素として様々な料理に使えます。
あさりの甘辛煮を使ったアレンジレシピ
●あさりと小松菜のからしあえ
材料(作りやすい分量)
・小松菜 1把(300g)
・あさりの甘辛煮 1/4量 ※上記2を参照
・練り辛子 適量
浸し地
・だし カップ1と1/2~2
・塩・うす口しょうゆ 各少々
<作り方>
1 小松菜は葉と軸に分け、熱湯で葉と軸を別々にゆでる。ザルに上げて
冷水をかける。
※小松菜の葉と軸は異質なものなので分けて調理することで、それぞれの
良さを引き出す。
2 だし(カップ1と1/2~2)、塩・うす口しょうゆ(各少々)を混ぜて
浸し地を作り、バットに移す。
3 1の小松菜の水気をきって、2のバットに入れ、浸し地につける。
4 ボウルに、あさりの甘辛煮の煮汁少々と練り辛子(適量)を入れて辛子を溶く。あさりの甘辛煮1/4量を加えて混ぜ合わせる。
5 小松菜の汁けを絞り、約2cm長さに切る。再度水気をしっかり拭いて
4のボウルに加え、あさりと和えたら完成です。
1位
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2位
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3位
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4位
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