きょうの料理(NHK) 2016年9月22日(木)放送
大原千鶴の季節のやさしい手仕事 「栗の渋皮煮・甘露煮」
京都の山里にある料理旅館に育った大原千鶴さんには、毎年必ず行う「季節の手仕事」があります。その時季にしか手に入らない食材を少しでも長く
楽しめるよう、様々な保存食に加工しています。
手作りだからこその旬のおいしさを気軽に楽しむ大原流手仕事のワザを、
1年にわたってシリーズでお届けします。9月は秋の味覚「栗の渋皮煮 」と「栗の甘露煮 」の作り方を紹介してくれました。
大原千鶴 「栗の渋皮煮」
秋の味覚の代表 栗の旬は9~10月と短いもの。大きな栗が手に入ったら、せひ渋皮煮にしてみましょう。風味豊かな渋皮煮は丁寧な下ゆでがおいしさの秘けつです。
●栗の渋皮煮
材料(作りやすい分量)
・栗 1kg
・砂糖 1kg
・重曹 小さじ2
・ブランデー(あれば) 大さじ1
<作り方>
1 熱湯に浸す
ボウルに熱湯を入れ、栗を浸す。粗熱が取れるまで、約20分間おく。
※こうしておくと皮がふやけてむきやすくなる。
2 皮をむく
水から取り出し、包丁で鬼皮をむく。緑の底(ザラザラとした部分)のほうの鬼皮を少し削り取る。
3 削り取った部分を手がかりにして、渋皮に傷がつかないように注意しながら、鬼皮をむいていく。
4 ボウルに水を入れ、栗を浸して軽く汚れを取る。
5 アクを抜く(1回目)
栗の水気を軽くきって鍋に入れ、ヒタヒタの水と重曹小さじ1を加えて強火にかける。沸騰したら中火にしてアクを取り、弱火にして約10分間ゆでる。
6 鍋ごと流し台に移し、水を捨て、鍋に流水を加えながら、水を替える。栗に流水が直接当たると渋皮が傷ついてしまうので、流水をへらなどに当てながら水を替える。
7 筋を取る
渋皮に残っている大きな筋を竹串を使って取る。細かな筋は指の腹でやさしくこすって取り除く。※渋が残らないよう細かい筋までこすり取る。
8 アクを抜く(2回目)
水と重曹を新しくして、5と6のアク抜きの工程をもう一度繰り返す。7の
作業は一度だけでよい。食べてみて渋が抜けているか確認し、渋ければもう一度アク抜きをする。最後に重曹を抜くために、水だけで5分間煮て、6と同様に水を替える。
9 煮る
鍋から栗をやさしく手ですくい、別の鍋(内径23cmが目安)に並べる。
10 鍋にヒタヒタの水と砂糖の半量(500g)を入れる。※味が中まで入るように砂糖は2回に分けて入れる。
11 ペーパータオル(不識布タイプ)で落としブタをして火にかけ、煮立ったら弱火にして5分間煮る。ペーパータオルを一度外して、残りの砂糖(500g)を加えて軽く混ぜ、再びペーパータオルで落としブタをして、 さらに10分間煮る。
12 火を止め、あればブランデー(大さじ1)を加えて混ぜる。煮汁ごと
冷まし、味を芯まで含ませたら完成です。一晩おくとさらにおいしくなります。
<保存>
煮汁と一緒に保存容器に入れて、冷蔵庫で10日間保存可能です。煮沸消毒した保存ビンに煮汁に浸った状態で入れた場合は、冷蔵庫で3~4ヶ月間
保存可能です。
<栗の渋川煮を使って>
もちろんそのまま食べても美味ですが、すっきりとした甘さの渋皮煮なら、おかずにも活用できます。
●渋川煮の白あえ
材料(作りやすい分量)
・栗の渋皮煮 5個
あえ衣
・絹ごし豆腐 1/4丁(約100g)
・砂糖・練りごま(白) 各大さじ1/2
・塩 小さじ1/4
・黒ごま 少々
<作り方>
1 豆腐はパーパータオルで包み、おもし(約200g)をのせて20分間おく。
2 絹ごし豆腐、砂糖・白練りごま(各大さじ1/2)、塩(小さじ1/4)を
よく混ぜてなめらかにする。
3 栗の渋皮煮を手で6~8等分に割り、2であえる。器に盛り、黒ごま(少々)をふる。
1位
|
|
2位
|
|
大原千鶴 「栗の甘露煮」
つややかな黄色がなんとも美しい甘露煮。ちょとしたおやつにはもちろん、軽くあぶると、ワンランクの上の風味と姿になって、おせちなどにもぴったりの一品になりますよ。
●栗の甘露煮
材料(作りやすい分量)
・栗 1kg
・くちなしの実 2個
みつ
・砂糖 350g
・水 カップ3
・塩 少々
<作り方>
1 熱湯に浸す
ボウルに熱湯を入れ、栗を浸す。粗熱が取れるまで、約20分間おく。
※こうしておくと皮がふやけてむきやすくなる。
2 皮をむく
水から取り出し、包丁で鬼皮をむく。緑の底(ザラザラとした部分)のほうの鬼皮を少し削り取る。
3 削り取った部分を手がかりにして、渋皮に傷がつかないように注意しながら、鬼皮をむいていく。
4 ボウルに水を入れ、栗を浸して軽く汚れを取る。
5 渋皮は渋が残らないように包丁で厚めにむく。縁の部分からむき始め、そのあとに中央の部分をむくとむきやすい。水でサッと洗い、鍋に移す。
6 くちなしで煮る
くちなしの実は半分に切る。鍋に栗とヒタヒタの水、くちなしの実を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして10分間ゆでる。
7 火を止め、そのまま冷まし、くちなしの色をしっかりつけ、くちなしを取り除く。
8 みつを作る
別の鍋に砂糖(350g)、水(カップ3)、塩(少々)を入れて弱火に
かけ、砂糖が溶けるまでかき混ぜる。
9 みつで煮る
7の鍋から栗をやさしく取り出し、別の平たい鍋(内径26cmが目安)に
移す。8のみつを注ぎ入れ、ペーパータオル(不識布タイプ)で落としブタをして火にかけ、煮たったら弱火で10分間煮る。火を止めてそのまま冷ましたら完成です。
<保存>
みつと一緒に保存容器にれて、冷蔵庫で10日間保存可能です。煮沸消毒
した保存ビンにみつに浸った状態で入れた場合は、冷蔵庫で約3~4ヶ月
保存可能です。
<栗の甘露煮を使って>
和のスイーツの甘露煮を、アイスやホイップクリームと取り合わせてパフェに。お子さんも大喜びの味わいです。
●栗のパフェ
作り方(作りやすい分量)
バニラアイスクリーム・コーヒーアイスクリーム・ホイップクリーム各適量を器に盛り、栗の甘露煮を3~4個(好みの量)のせる。大きければ、食べやすい大きさに切る。
1位
|
|
2位
|
|
3位
|
|
4位
|
|