きょうの料理(NHK) 2016年5月19日(木)放送
大原千鶴の季節のやさしい手仕事 「実ざんしょうのしょうゆ漬け」
京都の山里にある料理旅館に育った大原千鶴さんには、毎年必ず行う「季節の手仕事」があります。その時季にしか手に入らない食材を少しでも長く
楽しめるよう、様々な保存食に加工しています。
手作りだからこその旬のおいしさを気軽に楽しむ大原流手仕事のワザを、
1年にわたってシリーズでお届けします。5月は実ざんしょうの梅ちりめん、実ざんしょうのつくだ煮、実ざんしょうのしょうゆ漬けの作り方を紹介してくれました。
大原千鶴 「実ざんしょうの下処理」
実ざんしょうが手に入ったら、まずは下処理をして冷凍保存してみましょう。使いたいときに使いたい分だけ保存食やおかずにできます。
●実ざんしょうの下処理
材料(作りやすい分量)
・実ざんしょう 200g(正味)
<作り方>
1 実ざんしょうは小枝から外す。刺激が強いので作業はポリ手袋をしながら行うとよい。※実に付いた細い軸は付いていてもさほど食感に影響はないので、そのままにしておいてもよい。
2 流水で洗い、ザルに上げる。鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩少々を入れる。実ざんしょうを加えて約7分間ゆで、ザルに上げる。※実ざんしょうを指で押して、外側が簡単につぶれるのがゆで上がりの目安。
3 たっぷりの水につけ、約1時間おいてアクを抜く。
4 ザルに上げて水気をよくきり、ペーパータオルで水気をよく拭いたら
下処理の完了です。
※保存するときは冷凍対応の保存袋に入れて冷凍する。冷凍庫で約1年間
保存可能。ゆで時間が足りないと、においが移りやすいので、におい移りが気になる場合は、密閉できる保存容器に入れる。加熱調理に使うときは解凍する必要はない。
大原千鶴 「実ざんしょうの梅ちりめん」
ご飯のお供の定番、ちりめんざんしょうは、梅風味でさっぱりいただくのが大原さんのおすすめです。
●実ざんしょうの梅ちりめん
材料(作りやすい分量)
・実ざんしょう(下処理したもの) 大さじ1と1/2 ※下処理は上記1参照
・ちりめんじゃこ 40g
・梅干し (大)1個
・水 40ml
・酒 小さじ1
<作り方>
1 ちりめんじゃこはザルに入れて熱湯を回しかけてクセを取る。梅干しは種を取って細かくたたく。
2 フライパンに水(40ml)と酒(小さじ1)を入れて中火にかける。
ちりめんじゃこを加え、水分を吸わせるようにいりつける。
3 水気がなくなったら、下処理した実ざんしょう(大さじ1と1/2)を加えて、サッといる。※色よく仕上げるためいりすぎない。
4 1の梅干しを加えて火を止め、全体を混ぜ合わせる。
5 盆ざるに広げて粗熱を取り、水分をとばしたら完成です。冷蔵庫で
約1週間保存可能です。
大原千鶴 「実ざんしょうのつくだ煮」
大原流は、昆布をたっぷり使って、実ざんしょうにうまみをプラスします。昆布の下処理に酢水を使うのがポインですト。
●実ざんしょうのつくだ煮
材料(作りやすい分量)
・実ざんしょう(下処理したもの) 大さじ3 ※下処理は上記1を参照
・昆布(2.5×15cm) 4~5枚(50g) ※利尻昆布がおすすめ
・米酢 大さじ2
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ3
・しょうゆ カップ1/2
<作り方>
1 バットに昆布を入れ、かぶるくらいの水と米酢(大さじ2)を加える。
3時間おき、昆布を2.5cm四方に切る。※昆布は酢水につけると柔らかくなる。
2 鍋に昆布を入れ、1の昆布の漬け汁を、昆布がかぶるくらいまで加えて中火にかける。沸騰したら火を弱めて15~20分間煮る。
3 昆布が柔らかくなったら酒(大さじ2)、砂糖(大さじ3)を加えて
約15分間煮る。
4 3にしょうゆ(カップ1/2)、下処理した実ざんしょう(大さじ3)を
加え、フタを少しずらしてのせる。煮汁が完全になくなるまでごく弱火で
約2時間コトコト煮たら完成です。
※途中で煮汁がなくなった場合は、残っている昆布の漬け汁か、酒か水を
少し加えて下さい。冷蔵庫で約1か月間保存可能です。
1位
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2位
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3位
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大原千鶴 「実ざんしょうのしょうゆ漬け」
しょうゆ漬けはご飯のお供に、おかずの風味づけにと大助かりの保存食
です。
●実ざんしょうのしょうゆ漬け
材料(作りやすい分量)
・実ざんしょう(下処理したもの) 50g ※下処理は上記1を参照
・しょうゆ 大さじ4
<作り方>
1 下処理した実ざんしょう(50g)を煮沸消毒をした保存ビンに入れ、しょうゆ(大さじ4)を加える。冷凍したものをそのまま使うときは霜だけは軽くとってからビンに入れる。
※しょうゆは実ざんしょうがヒタヒタになるくらいの量が目安。実ざんしょうの分量に合わせて調整する。
2 フタをして冷蔵庫で10日後おいたら完成です。冷蔵庫で約半年間保存
可能です。
<実ざんしょうのしょうゆ漬けを使ったアレンジレシピ>
●さんしょう風味の豆腐丼
材料(2人分)
・充てん豆腐 1パック(150g)
・ご飯 茶碗2杯分
・さんしょうじょうゆ 大さじ1 ※作り方は上記4を参照
・実ざんしょうのしょうゆ漬け 少々 ※作り方は上記4を参照
・削り節 少々
<作り方>
1 炊きたてのご飯を茶碗に盛り、スプーンで豆腐をすくってご飯の上に
のせる。さんしょうじょうゆ(大さじ1)をかけ、実ざんしょうのしょうゆ漬け・削り節(各少々)をのせ、食べるときに混ぜ合わせる。
●さんしょう風味の肉じゃが
材料(2人分)
・牛こま切れ肉 100g
・たまねぎ 1個(200g)
・じゃがいも(メークイン) 2個(250g)
・にんじん 40g
・サラダ油 小さじ1
・砂糖 大さじ1
・さんしょうじょうゆ 大さじ1 ※作り方は上記4を参照
・砂糖 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1と1/2
・実ざんしょうのしょうゆ漬け 少々 ※作り方は上記4を参照
<作り方>
1 牛肉、たまねぎは食べやすい大きさに切る。じゃがいも、にんじんは
皮をむいて食べやすい大きさに切る。
2 鍋にサラダ油(小さじ1)を中火にかけて牛肉を入れ、すぐに砂糖・
さんしょうじょうゆ(各大さじ1)を加えて牛肉にからめる。牛肉の色が
少し変わったらたまねぎを加え、混ぜてフタをする。強めの弱火にして時々混ぜながら、たまねぎがしんなりするまで煮る。
3 じゃがいもとにんじんを加えて煮る。つやが出てきたら砂糖(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1と1/2)を加え、フタをして時々混ぜながら煮詰める。煮汁が少なくなったらフタを取り、混ぜながら汁けをとばす。器に盛り、実ざんしょうのしょうゆ漬け(少々)をのせる。
1位
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2位
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3位
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4位
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