祝! 「ビートルズと日本」熱狂の記録  出版!! | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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「ビートルズと日本」熱狂の記録 ~新聞、テレビ、週刊誌、ラジオが伝えた「ビートルズ現象」のすべて/シンコーミュージック Amazon.co.jp

会社の同僚、大村亨さん(いうても僕より年下です)によるビートルズ本が出ます。大村亨という名をご存知ない方もいらっしゃるかも知れませんが、レコード・コレクターズの「マジカル・ミステリー・ツアー」特集の時の、日本放映時の放送事故(リールの放映順を間違えた)についての記事や、最近では日本盤のCD-BOXが発売された時のビートルズ・ヘアを売りにした床屋さんの記事を書いた人と言えば、あーっあの人かと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。大村さんの記事の特徴は国会図書館などに足しげく通いとにかくビートルズについて書かれた音楽雑誌、週刊誌、女性誌、新聞、スポーツ新聞などありとあらゆる記事、一次文献を徹底的に読破し(新聞30万ページ、スポーツ新聞37万ページ!、週刊誌115万ページ!サバ読むなコノヤロー(笑)、でも大げさじゃないようです)、記憶ではなく記録から当時の日本でビートルズという存在がどのように受用され影響を与えていたのかを追及していくところにあると思われます。

宣伝資料に書かれた内容を引用してみますと。

☆日本滞在を時間単位で追った完全ドキュメント
☆新聞30万ページ、スポーツ新聞37万ページ、週刊誌115万ページを徹底分析
☆"記憶"ではなく"記録"から浮かび上がる当時の真相
☆ビートルズの激レア写真&グッズが満載!
☆ビートルズに最初に会った日本人は?
☆日本のラジオで最初にビートルズがかかったのはいつ?
☆ホントは65年に来日する予定だった? 幻の日本公演計画のすべて
☆来日公演より前に海外でビートルズのライヴを見た日本人
☆ビートルズ展の写真に失神! 女性ファンたちの熱狂
☆武道館公演のチケットは実は余っていた?
☆中高生の大半がビートルズを嫌っていた?
☆こんな人も日本公演を観に来ていた
☆ホテルに芸者? 日本公演終了後、夜の出来事
☆ファンにプレゼントされたサイン入りキャデラック
☆来日の翌年には人気収束?「国民的フィーバー」の後日談
☆ホントはいつ出た? 日本盤発売日の謎等々……

音楽は音楽として聴けばいいのであって、その音楽の周辺事情は関係ないとおっしゃる純粋音楽主義者の方もいらっしゃるのかも知れませんが、個人的には大学で米国文化史なんていうのを先行専攻していたこともあり音楽の文化的側面に非常に興味があったります。そのあたりは「鳥肌音楽」を読んでいただいている方にはお分かりのことかもしれませんね。というか楽器も弾けない音痴なので純粋に音楽を語れないというか、ぶっちゃけるとゴシップ好きのところがあるので「中高生の大半がビートルズを嫌っていた?」なんていう章立てをみると読む前からワクワクしちゃっています。

僕もよくやっちゃうんですけど、ある音楽について、その音楽が流行っていた当時の状況を体験していない若い人に「アレは〇〇ですよね」とかコメントでつっこまれると、「いやいやあなたは当時をしらないから〇〇というが、あの頃を経験したオレ様から言わせると××である」みたいなことをやっちゃうことがあります。でも実際は記憶って曖昧だったり、後付けで作っちゃうこともままあるんですよね。だから記憶から書かれる音楽論なんていうのも大切だけど記録から書かれるこういう新しいビートルズ本も必要だし、この本はこれ以降のビートルズ研究(日本の)に少なからぬ影響を与えていくんじゃないかなとも思います。

と実際に本を読む前から絶賛してしまい、お前大村さんからサンプル本もらって提灯記事書いてるんだろうと思われそうですが、大村さんいわくサンプル本はないそうなのでちゃんとお店で購入いたします。冗談はさておきビートルズのファンであれば本棚に置いておいてく価値のある一冊だと思いますよ。

レココレ関連でもうひとつインフォを。長期連載されている宮永正隆さんのビートルズ来日学 が6月に単行本になるようです。こちらは来日時にビートルズに接した様々な方々に当時の写真を見せ乍ら記憶を語っていただくというもの。来日50年という記念の年にふさわしい一冊だと思います。

ビートルズ来日学 1966年、来日時の4人に接した日本人関係者の証言(仮)/DU BOOKS

¥2,700
Amazon.co.jp


PS.出版記念として4月の2日3日にトーク・イベントも開かれるようです。

→書籍『「ビートルズと日本」熱狂の記録 ~新聞、テレビ、週刊誌、ラジオが伝えた「ビートルズ現象」のすべて』発売記念イベントが4月に開催

東京なので行けませんが、大村さん頑張ってしゃべってね。