アビイ・ロードならぬ坊さん道路 | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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WRITING ABOUT MUSIC IS LIKE DANCING ABOUT ARCHITECTURE.

めんたんぴんに引き続き郷土ネタです。

土曜日夜に朝日の夕刊を見ていたカミさんが”何か山中温泉のこと載ってるで”というので夕刊を横取りし覗いてみると
「温泉街のアビイ・ロード」加賀・山中 ビートルズなりきりマップ
ということで地元山中温泉のことが取り上げられていました。

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>温泉街にビートルズ登場!?。石川県加賀市の山中温泉で、往年の音楽ファンならピンとくるパロディー写真をあしらった飲食店マップが話題を呼んでいる。料理店主らが面陳版の登場人物になりきったマニアぶりが受け、全国から問い合わせが相次いでいる。(長田豊)

>店主ら細部まで表現
マップは、温泉街の飲食店などが加盟する山中温泉料飲行協同組合発行の「山中温泉料理飲食大図鑑」。10年前から発行しているが、2008年発行の改訂版から名盤を模した写真を掲載。製作委員の一人で中華料理店主の二木克治さん(42)は「ただ地図を作るのでは面白くないと、夜中の会議で『ノリ』で決まった」と振り返る。

「ビートルズ・ファン」と言う、すし店主の日比野顕一さん(56)らとアイデアを出し合った。人気の「作品」は、ビートルズのメンバーを山中温泉にも泊まった松尾芭蕉らに置き換え、日比野さんらがモデルを努めたもの。ビートルズの「アビイ・ロード」のジャケットを模した写真は、温泉街の横断歩道で撮影した。

二木さんは「本物のようにポール・マッカートニー役は素足で、背景にはフォルクス・ワーゲンを写した。コアなファンに伝わるよう、細部にこだわりました」と話す。

ほかにイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のパロディー写真なども使った08年版が地元紙で取り上げられて話題となり、09年末に発行した2咲く目は増刷を含めて1万2500部を発行した。

今年から配布している最新のマップは、「ビートルズの最後のアルバム「レット・イット・ビー」がテーマ。同名の映画撮影のためにビルの屋上で行われたゲリラ・ライヴ「ルーフ・トップ・コンサート」も再現し、レコード・ジャケットを模した正方形の地図の中面に入れた。

さらに地元の芸妓3人も参加し、1960年代に活躍した女性コーラス・グループ「シュープリームス」になりきった写真が「裏ジャケ」になっている。最新版は組合加盟店や温泉街の施設で無料配布中。すでにうわさを聞いた北海道や首都圏の音楽ファンからも「送ってほしい」との問い合わせが増えている。

日比野さんは「こんなに話題になるとは」と驚きつつ、「笑ってもらった後は山中温泉に来てもらうのが目標」と話す。


>2008年発行の改訂版から名盤を模した写真を掲載

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2008年版の表紙に使われたのは上の写真です。山中温泉にゆかりの深い松尾芭蕉とその弟子曾良が旅館で別れるシーンということなのですが、何のパロディか分りますでしょうか?ヒントは奥の入り口に見えるほうきを持った清掃人と2階から幽霊のように覗き込んでいる人影、場所は旅館(HOTEL)ということ・・・・

そうです、『ホテル・カリフォルニア』の内ジャケのパロディです。

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もちろん内ジャケだけじゃなく誰もが知っている表のジャケットのパロディ写真も掲載されています。『ホテル・カリフォルニア』ならぬ『ホテル・イズミヤ』となっていますが芭蕉が山中温泉で泊った旅館が泉屋だったことからこの名前にしてるんですね、中々芸が細かいです。

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でもこの写真、『ホテル・カリフォニア』のパロディというよりはむしろロックのスタンダードとニュー・ミュージックの名曲をクロス・オーバーさせた迷盤『旅荘カリフォルニア』に似ていると思うのは僕だけでしょうか?

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旅荘カリフォルニア

そしてこのパンフで一番の話題になったのが記事の見出しにもなった『アビイ・ロード』のパロディだったというわけです。まぁ世界一有名なレコード・ジャケットのパロディですからね。

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ビートルズでは一番前から順にジョン、リンゴ、ポール、ジョージとなります。山中ビートルズでは出前のにいちゃん、松尾芭蕉、曾良、最後は作務衣を来た職人となっています。芭蕉と曾良はすぐに決まったようなのですが後の二人をどうするか悩んでとりあえず衣装を真似ようと言うことで白のスーツのジョンに変わり白衣を着た料理人となったのはもともと料理組合のパンフだから山中出身の和食の鉄人=道場六三郎さん、そしてブルーのデニムのジョージに変わり青い作務衣の職人となったのは山中は温泉と漆器が有名でその職人達を意識したということで山中ががルーツの九谷焼の開祖=後藤才次郎とのことでちゃんとわけがあるのですね。

記事にもありますがポールに代わる曾良は裸足だし、四人の後ろに見える青い車はカブト虫ではないけれどフォルクスワーゲン社の車みたいです。芭蕉と曾良は坊さんにみえるし(実際芭蕉の衣装は町内にある医王寺から借りてきたものとのこと)、道路の突き当りには僕の同級生が坊さんをしているお寺さんが見えています。「アビイ・ロードAbbye Road」というのは訳せば「修道院通り」、この写真も「お寺さん通り」に見えますから、なかなかに凝っています。

最初は軽い思いつきと言うか、ちょっとした洒落だったのでしょうが地元紙に取り上げられたりして思いのほか反応が良かったのでおっさんたちはワル乗りを始めてしまったようです。以下ざっとご紹介させていただきますと。

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これもビートルズで『HELP』ですね一文字でYAMANAKAのYMNKを表しています。これ見て気づきましたが山中という地名は母音がすべてaだったんですね。

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『MAGICAL MYSTERY TOUR』ならぬ『MAGICAL GOURMET TOUR』。

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「デトロイト・ロック・シティ」ならぬ「ヤマナカ・ロック・シティ」とか。シティやなくてタウンやろという気もしますが・・・。化粧については少し説明が必要ですね。左上は山中漆器の茶碗とお箸、右上は山中温泉の新シンボル「あやとり橋」、左下は山中温泉の古くからのシンボル「こおろぎ橋」の欄干、そして右下は料理組合ということでスプーンやフォークとちゃんとわけありとなっています。

>今年から配布している最新のマップは、「ビートルズの最後のアルバム「レット・イット・ビー」がテーマ

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自分たちだけでやってりゃ良いものをとうとう温泉芸者まで引っ張り出してきました。おっさんたちワル乗りしすぎでっせ(笑)

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これはちょっと難易度高い気がいたします。

それにしてもこのワル乗りパンフ地元の北陸中日新聞から始まり読売新聞や今回の朝日新聞、はたまたNHKやズーム・インなどに取り上げられたみたいでおっさんたちのアイデアが代理店に頼んだらとんでもない金額になりそうな宣伝効果を生み出しています。同じロック好きのおっさんとして素直に脱帽いたします。

>「笑ってもらった後は山中温泉に来てもらうのが目標」

一人でも多くの人に山中のお湯につかってもらえたらいいですね。

山中ビートルズに興味をもたれたらコチラを⇒山中温泉 手作り餃子長楽さんのブログ