納涼ビーチボーイズ特集 A to Z Gの歌 | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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納涼ビーチボーイズ特集 A to Z Gの歌です。Gもきまりですね「神のみぞ知るGod Only Knows」です。

God Only Knows
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きみをいつもいつもは愛せないかも
ただ頭の上で星がまたたいている限り
きみは疑う必要はないし
ぼくは疑わせはしない
神様だけが知っている
きみ無しのぼくの心を

きみが永久にぼくの前から消えたら
それでも人生は続くのだろうけど
信じておくれ
この世に見るべきものも無いし
そんな人生の何が楽しいんだか
神様だけが知っている
きみ無しのぼくの心を
神様だけが知っている
きみ無しのぼくの心を


ブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズの最高傑作のひとつであるこのバラードをカール・ウィルソンに歌わせている何故だろう?実際この曲はブライアンがリード・ボーカルでも録音されており『グッド・ヴァイブレーションBOX』などで聴くことができる。

God Only Knows (Brian lead vocal)


前回の「フォエヴァー」におけるデニス・ウィルソンのストレートに永遠の愛を表現しているのに比べ、ブライアンの意向をもとにトニー・アッシャーが書いた歌詞はのっけから”きみをいつもは愛せないかも”といきなり否定的にはじまります。歌詞を続けて読んでいけば”それでもいちばん愛しているのは君だということは間違いないんだよ”とブライアンが言いたいのは分るのですが、当時24歳でたしかもう結婚していたはずのブライアンなのにあまりにも大人気ない気がいたします。まぁ確かに<永遠の愛>なんていうものは幻想なのかもしれませんが、だからこそ逆にみんな永遠の愛を誓おうとするのだし、そういった言葉を恋する相手から聞きたいとおもうものだと思います。それが大人でしょ。

よく言えば正直、「僕の中の少年(by山下達郎)」を持ったまま大人になってしまったと言えますけど、こんな心のままで金の亡者たちがうじゃうじゃいる音楽業界で純粋に音楽だけを作ろうとしたのですからそりゃ精神に破綻をきたしますわな。

閑話休題、正直すぎる歌詞をいい大人である自分が歌うのはさすがにためらいがあったのか(笑)、最終的には当時19歳でまだまだ少年っぽさの残る末っ子カールにリードを歌わせることになります。この歌をカールは非常に苦労して歌ったようですが(ブライアンが何度も録り直しをさせるからや)、アーティストとして大きく成長しこの後ブライアンのリタイアにより迷走するビーチ・ボーイズをひっぱっていくこととなります。ひょうたんから駒、って例えが違うか・・・。

God Only Knows (concert at Knebworth House on June 21st 1980.)

でぶっちょカールとメンバーからからかわれていたカールもこの頃にはもう貫禄たっぷりですよね


おまけ。
オーストラリアのフェンダートーンズというバンドがカバーする「神のみぞ知る」。コンピューターではなくホーンや効果音まですべて人力で完コピしています。マニアックすぎますね。

The Fendertones - God Only Knows