愛と勇気だけがともだちさ 三木たかしさんに捧ぐ | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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忌野清志郎、細野晴臣という日本のロックの2大巨頭に対して見事なコブシで堂々と渡り合った坂本冬実が歌う「夜空の誓い」です。ご存知のように坂本冬実は猪俣公章の内弟子として87年にデビューし93年に猪俣がなくなるまではほぼ全てのシングルは猪俣の作曲でした。猪俣の死により自分独りの力で歌謡界を渡らなければいけなくなった坂本の再スタートとなった曲が「夜桜お七」でした。



当初いままでのイメージと違うということで売れ行きを危ぶみレコード会社側からはストップがかかりますが、新しい坂本冬美を見せようと作者の三木たかしさんが強力に後押しして発売されました。結果敵には今までの殻を破った坂本冬美が生まれることなり坂本にとっては記念碑的な歌になります。

紅白で3回も歌われることとなる坂本の代表曲であるこの歌を作曲したその三木たかしさんが亡くなりました。64歳。三木たかしといえば真っ先に思い出すのは作詞家荒木とよひさと組んで生み出したテレサ・テンのヒット曲の数々です。

テレサ・テン 「つぐない」         「愛人」                  「時の流れに身をまかせ」
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このテレサのヒットがあるせいか三木たかしの作る歌は(狭義の)「歌謡曲」という印象が強くあります。分かりやすくいえば60年代の西田佐知子や園まりといったしっとりとした大人の歌謡を継承した作曲家というイメージだったのですが訃報に際しWikiなんかを見てみると実に様々なアーチストに様々な楽曲を提供していることにあらためて驚かされてしまいました。

偉大な歌人に追悼の意を込め、三木たかしのキラ星のようなヒットの中から個人的に大好きな曲をアップさせていただきます。

伊藤咲子   「木枯らしの二人」         「乙女のワルツ」            「君かわいいね」
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デビュー・ヒットの「ひまわり娘」は何故かシュキ・レヴィというイスラエル人の作曲ですが、その他のヒット曲はほぼ三木たかしの作品でした。何百何千人とアイドルがデビューしていますが歌の上手さでいったらトップでしょうね。その歌唱力のゆえ、「乙女のワルツ」のような思いっきり歌い上げる曲が提供されています。こういう大きなメロディは職業作家だから書けるものであって、現在のような歌い手が自分で曲を作ってしまうようになるとこじんまりとしたメロディばかりになってしまって寂しい気がします。
ちなみに初めて生で見たアイドルは咲子ちゃんでした、高校2年西友の屋上でした。

黛ジュン「夕月」


実妹である黛ジュンが歌手として成功し三木も歌手デビューを目指しますが果たされませんでした。しかし自作曲を歌う三木を見て船村徹が作曲家になることを勧め作曲家=三木たかしが67年に誕生。兄の作った歌を歌って大ヒット、黛ジュンは嬉しかったでしょうね。しかし、いい歌です。プレ「夜桜お七」という気もします。

浅丘ルリ子「愛の化石」


花王「愛の劇場」ですか(笑)。冗談はさておき短編映画でも見せられた気にさせられるナレーションは女優浅丘ルリ子の真骨頂か、歌は少々・・・ですが。これは曲より詞/編曲の勝ちでしたね。

石川さゆり「能登半島」


石川さゆりといえば決定的な名曲「津軽海峡・冬景色」がありますが、先日の葬儀の能登行きで海を見ながらこの曲を思い出していたところだったので。

岩崎宏美「思秋期」


いかにも阿久悠というタイトルがつけられた岩崎宏美の19歳の歌。デビュー時は筒美京平でさわやかに、大人一歩手前の19歳は三木たかしでしっとりと、阿久悠がプロデュースしているのでしょうね。

キャンディーズ「哀愁のシンフォニー」


この曲ってなかにし礼/三木たかしだったんですね。イメージからするとキャンディーズには合わないコンビという気がしますが・・・。こういう歌と見ごろ食べごろのギャップがキャンディーズの魅力でした。

森山良子「禁じられた恋」


そっかこの歌も三木さんでしたか。ほとんどTVで歌うのを見た記憶しかないのですが、レコードの音を聴くとちょっと変わった歌ですね。「夕月」のバージョンといったメロディでリズムはエンャートットみたいだし何故かスティール・ギターがヒューンと入ってきてギターはヨーロッパぽいし無国籍歌謡って感じですね。

わらべ「もしも明日が」


阿久悠とのコンビが多かった三木さんですが、おなじく阿久とのコンビが多かった京平さんが洋楽のテイストを取り入れたバタくさい歌謡ポップスが得意なのとは違い三木さんの場合はどこか日本的な歌謡という気がします。といってもいわゆる演歌とは違いますよ。わらべのこの歌なんかは三木さんらしい歌だと思います。しかしこの歌のときはもう2人だったんですね。のぞみちゃんはニャンニャン事件の後ってことですね。

結局選ぶ曲が女性ボーカルばっかりというのが鳥肌音楽らしいですね。一曲くらい男性を。

西条秀樹「ブーメラン・ストリート」


まぁ、みなさん聞いてください。若い女性に大人気の西条秀樹。その西条秀樹の歌った「ブーメラン・ストリート」!”カリッと音がするほど小指を噛んで 痛いでしょ 痛いでしょ・・・・・当たり前やないかそんなこと!誰でも小指噛んだら痛いにきまっとるわ!どアホ!

すんませんつい興奮して人生幸朗になってしもうて・・・かあちゃん堪忍な。

最後に誰もが口ずさんだことのあるこの2曲を

ザ・バーズ「ふり向くな君は美しい」       ドリーミング「アンパンマンのマーチ」
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娘が小さい頃、よく歌ってたなぁ。幼稚園なんかでもみんなで大合唱。こういう歌をずっと心に刻んでおけば未来は明るいものになるような気がしますけどね。やなせさんらしい歌詞、僕らの世代で言えば鉄腕アトムの歌みたいなもんです。


・・・・ちょっとYOUTUBEたよりすぎのエントリですか