isaburou_shinpei様のブログ「古紙蒐集雑記帖 」の6月14日のエントリ「戦後資材不足時の1/2硬券 」および、6月16日のエントリ「戦後資材不足時の1/2硬券 (~その2) 」でご紹介されております、混乱期の1/2常備片道乗車券ですが、この券の券番については不明な点が見られますので、当方が所持しております券を1枚ご紹介させて戴きます。
日立電鉄線から常磐線を介した、現在のひたちなか海浜鉄道湊線への3線連絡乗車券で、社線発行の券ではありますが、地紋は「GJRてつだうしゃう」となっており、当時の運輸通信省に委託して調製された券と推察され、省線で用いられていた1/2常備片道乗車券と比べて、様式的には大差無いものと思われます。
日付がありませんので廃札券と思われますが、この券が調製された年代を推定してみますと、常北電気鉄道から日立電鉄となったのが昭和19年7月31日、地紋の鉄道省は昭和18年11月1日から運輸通信省となっていましたから、この券は日立電鉄発足する昭和19年7月から、日本国有鉄道が発足する昭和24年6月までの約5年の間で、運輸通信省時代に調製された券と推察されます。
さて、この券の券番号は通常の常備硬券と同じく裏面に記載されておりますが、券面には左側の券片には「い」、右側の券片には「ろ」と記載されており、裏面の券番を同一券番の親番号として、左右の券片を「い」と「ろ」の符号を付して区別しているものと思われます。
isaburou_shinpei様のブログにて、関西様がコメントされている「土佐電気鉄道」の同様の様式の券については、拙ブログの2009年3月23日のエントリ「土佐電気鉄道 2片式片道乗車券 」でご紹介しておりますが、こちらの券は裏面に「イ」および「ロ」と記載して左右の券片を区別しています。
isaburou_shinpei様が図示された券には、左右の券片を区別するための符号が記載されていないようであり、調製された印刷場や印刷会社によって差異が見られるのは当然の事ですが、果たして左右の券片をどのようにして区別していたものか、非常に興味があります。
この券は、isaburou_shinpei様のブログ「古紙蒐集雑記帖 」の6月16日のエントリ「戦後資材不足時の1/2硬券 (~その2) 」に、トラックバックさせて戴きました。