グリコ森永事件をモチーフにした作品で、未解決事件を紐解く新聞記者と、期せずして自分が当事者だと知ってしまった
テイラーの店主が交差することで、バラバラに散っていた点が35年という時を経て線となり、流れとなることで

真実が姿を現す。

と、ざっくりとそんなストーリーです。


ストーリーも素晴らしいし、役者一人ひとりが素晴らしい。
この「罪の声」の世界を出演者全員が

日常を慎ましく、この犯罪が残した傷を抱えて生きている。

特に年齢が上の役者さん達の醸し出す

深みと胸の奥に何かつかえた言葉を抱えて生きてきた演技は素晴らしく

それだけでも泣けてきてしまう。

 

この映画は、

事件が解決しても、真の犯人がわかっても

その動機を聞かされても

主人公たちはその痛みを抱えながら、その罪を背負いながら

また、日常に戻り粛々と生きていく。

僕たちにはその姿に寄り添うことしかできない。

この作品は

事件によって壊された明日へとつながる、ただの日常さえ

抱えた苦しみの辛さで平穏な朝を迎える事ができなかった人たちが

背負った宿命や悲しみや苦しみを降ろし

日常を再生していく話だと思う。

 

映画館を出たあと、自分の抱える闇の深さを考える。

背負う不幸について考える。

そして、

目の前に広がる日常の暖かさを愛おしむ。

 

最後にどうでもいいことなのですが

換気の関係もあり、映画館が寒くてしょうがなかったです

ブランケット必須ですなー