GWの狭間です。

先日、テレビにくぎ付けになりました。

『世界フィギュアスケート選手権2011女子フリー』

平均視聴率は、29.3%(関東地区)

キム・ヨナ選手の久々の公式戦参加、
不調の浅田真央選手は復活するのかなど、
多くの注目が集まった試合。

結果は
安藤美姫選手が、キムヨナ選手に逆転優勝。
浅田真央選手は6位。


私が注目したのは、安藤選手と浅田選手。


私は、この二人の選手の試合後のインタビューを見ていて、
明らかな違いを感じました。

演技の技術自体というよりは
「意識のベクトル」の違いです。

つまり、「意識をどこにフォーカスしているか」ということです。


安藤選手は大会前から、
「日本の、被災地のために滑る。
一人でも多くの人に笑顔になってもらいたい」
と話していたそうです。


被災者のことを思い、
自分は普通の生活を続けていていいのか、と悩んでいたとき、
背中を押してくれたのは、
「笑顔がみたい」という被災者からのメッセージだった、と。


実際、優勝後のインタビューで、安藤選手は、
世界選手権の勝因について聞かれ、

「日本のことを考えて滑った。
 それが今までとの大きな違い。
 強い気持ちでリンクに立てた」と語りました。


一方、浅田選手のインタビュー。
浅田選手は、「とにかく、今シーズンを終えたことにほっとしている」と
話していました。


不調から立ち直ろうと、
必死でもがいている浅田選手の気持ちが伝わってきて
それはそれで共感できます。


しかし、このインタビューから、
二人の「意識のベクトル」という意味では
鮮明な違いが浮かびあがってくるように思います。


安藤選手の意識は、
「日本の被災者に元気を与えるために」という言葉が示す通り、
自分以外の「他者」に向けられています。


一方、
浅田選手の意識は、おそらく、
自分自身」のことに、フォーカスされている。


ここで、どちらが良い、悪いということが言いたいのではありません。

自分の成長のために、行動することは大事なことです。


しかし、
安藤選手自身の言葉にあるように、

「日本のためにという意識を持つことで、
強い気持ちでリンクに立つことができた」という言葉。


「誰かのために」という決意を持って行動することが、
すごいパワーを生む、ということを教えてくれていると思います。


この「意識の持ちよう」は、
私たちが、人前で話すときにもとても大事です。


誤解を恐れずに言うと、
人前で話すことが苦手だと思っている人ほど、
相手のことを考えていない」のです。

逆に、プレゼンテーションが上手な人は、例外なく、
オーディエンス(聴衆)=他者に意識が向いています。


もっと詳しく知りたい、という方は・・・。

「とっさの会話力」の44ページを読んでいただけたら、と
思います。

「あのとき、ああ言えばよかった…」がなくなる! とっさの会話力/菅原 美千子

¥1,365
Amazon.co.jp