おかげさまで、劇団さしすせそ『ユー,モア ユーモア!』は、無事終演いたしました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
「親の心子知らず」
今回、主催をつとめるにあたり、つくづく思い知らされたのが、この言葉です。
僕は今までに舞台の経験は何度かあるものの、劇団等に所属していたわけではなく、すべて客演という形での参加でした。
客演、つまり劇団の方々からすればお客様扱いなので、公演にあたっての雑務はやらずに済んでいたのです。
ですから今までは、演技のことだけに集中していれば良かったのです。
ところが今回は、そうはいきません。
小屋の予約、稽古場の確保、キャストのスケジュール調整、宣伝美術の考案、衣装のレンタル、小道具や舞台道具の買い出し、音響・照明スタッフとの打ち合わせ、各方面への告知、集客状況の管理、その他諸々、諸々、諸々、諸々……。
かなり余裕をもって進行していたつもりでしたが、ジリジリと本番が迫っていくにつれ、ドンドンやることが増えていきます。
その上、初めての作・演です。
正直なところ、他人に演技指導できるような実力は、僕にはありません。
脚本だって、まだまだ未熟です。
良い作品にできるかどうか、まったく分かりませんでした。
ですが、主催する側になって初めて、今までお世話になってきた各劇団の主催や劇団員の方々の、激務や気苦労を僅かでも思い知らされることとなり、甘えていた自分を恥じるとともに、深い感謝の念が湧き起こりました。
僕が今までやった芝居で学んだこと、楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したこと、そのすべてを今回のキャストに味わってもらおうと、全力で頑張りました。
それこそが、各劇団関係者の方々への、最大の“感謝のしるし”になると思ったからです。
この“感謝のしるし”だけは、何があっても裏切るわけにはいかないと思いました。
そのため、キャストへはかなりキツく言ってしまうこともありました。
ですが、皆、芸人としても忙しく活動しながら、稽古終わりに寝ないでバイトしながら、体調を崩しても悟られないように隠しながら、本当に、本当に一生懸命頑張ってくれました。
作品の評価は、お客様の判断に委ねるものですから、僕には分かりません。
ですが、“感謝のしるし”が少しでも届けられていたのなら、これ以上の喜びはありません。
ありがとうございました。