シュガー・ドラゴンのブログ

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もはや年末の恒例行事となっておりますが、今年もやります。
お笑い養成所時代の同期によるお笑いライブ、『ナベQライブ』です。
僕が本格的なお笑いの活動をしなくなって久しく経ち、このライブでしか顔を合わせないメンツが殆どなのですが、再会すると不思議と当時の感覚が呼び戻されるのです。
もう入所してから十年近くのですが、こういう仲間ができたのも、一つの財産だなぁとも思うのです。
というわけで、僕は「無知のち晴れ」で、相方さんと一年ぶりの新作コントやります。
お時間あったら、ぜひお越しくださいませ。
よろしくお願いいたします。

 

『ナベQライブ2017』
【日程】12月20日(水)
【会場】新感覚ライブハウス近松
世田谷区北沢2-14-16北沢プラザB1
https://chikamatsu-nite.com/access-contact/
【時間】18:30開場/19:00開演
【料金】1500円(ワンドリンク付)

【予約】各種コメント・メッセージにて

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舞台初日の朝は、母ちゃんの墓参りから始まる。
いつ頃から初めた習慣かは忘れたが、もう長いことそうしている。
『Zoo』の初日も、やはりそうした。
墓参りといっても花を供えるわけではなく、線香代わりに故人の好きだったタバコに一本、火を付けるだけだ。
火の付いたタバコを墓前に立てると、空気が揺らぐのがそうさせるのだろうか、ジワリジワリと燃え進んでいく。
その様子は、まるで母ちゃんが息を取り戻したかのような錯覚さえおぼえる。
タバコが燃え尽きるまでの間、ほんの短い間だが、母ちゃんのことを思い出す。
色んな思い出があるにはあるのだが、一番強く残っているのが、母ちゃんのケツだ。

 

母ちゃんは十六才の時、出稼ぎのために中国から来日してきたと聞いている。
根が明るい人だったので、おでん屋の屋台や喫茶店のウエイトレスなど、いくつかのバイトを掛け持ちしながらも、それなりに楽しくやっていたそうだ。
やがて日本人の父と知り合い、僕が生まれる。
そこからまた色々あるのだが、長くなるのでその辺は割愛する。

 

それは小学校三年生の、授業参観の時だった。
母ちゃんがコートを着ていたので、寒い季節だったと思う。
授業を終えたあと、体育館で保護者参加型の俳句カルタ大会が催された。
といっても、ほとんどの親御さんは、子どもたちがカルタに励んでいるのを、後ろの方で微笑ましく眺めているだけだった。
子どもたちも、両親に良いところを見せようと、いつも以上に張りきって札を取っている。
僕はといえば、俳句なんか全く覚えていなかったので、一枚も取れることなく、隅の方でジッとしていた。
クラスメイトが次々と札を集めていくなか、まごついているだけの僕の背中を、母ちゃんが見ているのが分かった。
なんとか札を取ってみせたいと思ってはいたのだが、それはなかなかに困難なことだった。
というのも、普段の勉強は全然できないくせに、むやみやたらに俳句を覚えてるヤツがいて、二、三文字読み上げただけで札を取られてしまうからだ。
途中からは、もうそいつのワンマンショーみたいにすらなっていた。
「そこのけ そこのけ」みたいな分かりやすい札は、競争率が高くて、文字通り手が出せなかった。
大会も終盤に入り、場には数えるほどしか札がなかった。
残り数枚の札をめぐり、周囲の緊張感は高まっていた。
まだ一枚も取れていなかった僕は、その空気に飲まれ、ほとんど諦めていた。
僅かな静寂ののち、次の札が読み上げられた。
その瞬間、僕の背中から母ちゃんが飛び出した。
それは、まるで水泳選手が飛び込み台からスタートしたかのような勢いと格好だった。
母ちゃんは、水を入れ忘れたプールに飛び込んだ水泳選手みたいに、体育館の床に全身を叩きつけられていた。
その手の先には、一枚の取り札。
なんとそれは、読み上げられた札のそれだった。
あまりの早さと大胆な行動に、驚きの声をあげる一同。
僕も驚きのあまり、声を失っていた。
だがそれは、早さや行動にではなく、中国出身で俳句を知っているはずのない母ちゃんが、とんでもない大博打に打って出て、見事に勝ってみせた、その強運にだった。
立ち上がった母ちゃんの表情は毅然としていて、しこたま打ち付けたであろう顔面の痛みを微塵も感じさせなかった。
母ちゃんは僕の前まで来て、すっと札を差し出した。
僕は、そっと札を受け取った。
その姿に、一同の視線は釘付けだった。
みんなが、母ちゃんと僕を祝福してくれているとさえ感じた。
ふと、周囲のざわつきに気づいた。
やがて隣にいたママさんが、「佐藤さん、オシリ破れてますよ」と母ちゃんに囁いた。
精一杯めかし込もうと、無理やりねじ込んできたパンツスーツのオシリが、あの時、パックリと割れていたのだ。
母ちゃんは毅然とした表情を少しだけ曇らせてから、畳んでいたコートに袖を通した。
大会が終わり、ストーブの効いた教室に戻ってからも、母ちゃんはコートを着たままだった。
帰り道。
母ちゃんに手を引かれて、家に向かった。
普段おしゃべりな母ちゃんは、終始無言のままだった。
歩くのが少しだけ、いつもより早かった。

 

タバコの火は、尽きていた。
僕の足は、劇場へと向かう。
もしかしたら街中で、ズボンのオシリが破れた女性に、手を合わせる僕を見かけることがあるかもしれない。
でもそれは、「パンツ見せてくれて、ありがとう」の意味ではないことだけを断って、筆を擱くことにする。


(終)

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10月の「喜劇と向き合うワークショップ」無事に終了いたしました。

今回も、参加者さん二名と、劇団員一名の少人数制。

でも少ないほうがじっくりできて、性に合ってる感じです。

戯曲は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』に取り組みました。

シェイクスピアはセリフが難しいので、単発のワークショップで取扱うのは避けていたのですが、みんなで読み込んでいくと、たった一ページでも世界が広がって、とても興味深かったです。

僕はまだまだヘッポコですが、色んな可能性に立ち会える稽古場は、とても刺激をいただきます。

11月もなんとか開催いたします。

今後とも、「劇団さしすせそ」をよろしくお願いします。

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