特にバッハなどバロック時代の作曲家の作品は、素のままの状態が知りたいので、実用校訂版を積極的に使おうとは思わない。自筆譜、若しくはファクシミリがあれば参考にして、運指の書いていない原典版を使いたい派だ。

これがショパンやリストなどロマン派になると、原典版に余り拘らなくても良いように思う。バリエーションと考えれば、色々な校訂版も参考になるだろう。


もしあなたがバッハを実用校訂版で弾いているのなら、折角だからいいとこ取りだけせずに、せめて一度は楽譜に記されている通りに弾いてみたらどうだろうか。

校訂者の意図が読めてくるだろうし、指遣いを考えるヒントになるかも知れない。ただ書いてある運指が自分に合っているか否かではなく、何故この運指なのか考えることも必要だろう。


実用校訂版を使って書いてある通りチェンバロやオルガンを弾いてみると、別の発見があるかも知れない。