各地に被害をもたらした竜巻

休刊日明けの中日新聞は

2社会面で続報


「竜巻 損壊家屋2000棟超え」

「関東4県 平均風速60メートル級のF2」



いなかのプレスマン


1面の中日春秋では

竜巻の大きさと被害状況を示す

Fスケールを紹介している


かって、ほとんどの日本人が

地震の大きさを示すのに震度だけに頼っていたころ

マグニチュード(M)=地震のエネルギー=の登場に

面食らったのと同じように

記者も春秋子も「こりゃなんじゃ??」と思ったことだろう


気象予報士の公式テキスト

「なるほど お天気学」には

竜巻の項で、アメリカで長年トルネイドを研究した

藤田哲也博士が「Fスケール」の生みの親と紹介している


今回の竜巻騒ぎでは

スーパーセルとかダウンバーストなろ新語も飛び交っている

新聞も新聞記者も、知らなかったではすまないので

検索サイトや識者に取材して新語に対応する



いなかのプレスマン

残念なのか、幸いなのか

竜巻は日本では、それほど頻度が高くなく

被害の出るケースは年間に2-3件にとどまるので

読者がFスケールに慣れるまでに忘れてしまうので

定着することはないだろう


ケンタッキーのトヨタ工場建設で

1年間留学していた時は

何度か米国版竜巻・トルネードに遭遇した


米国では年間1000件以上発生する上

その規模や被害も尋常ではないため

観測網や避難、防災体制も整っている


地元のラジオやテレビでは

毎朝、その日のトルネード発生予報を流すし

ひとたび発生すると、テレビが画像を実況中継する


ラジオは「あと2時間後に、トルネードが襲来します。

OO郡の北部は避難してください。

部屋の窓は開け放して、住民は地下室に逃げましょう」と

呼びかける


実際、住んでいたマンションの100メートル先を

トルネードが通過するのを見たこともある。

雲行きが怪しくなると、風が強まり、木の葉が舞う


渦の半径は数100メートルもあり

目の前がほこりとちりで暗くなり、10メートル先も見えない

木が引きちぎられたり、ごみバケツが飛んだかと思うと

看板、電柱が倒れる。

路上駐車の車が渦に巻き上げられたり

移動式の住宅が飛ばされていく


時間にするとわずか10分程度だが

その威力はすざましく、なすすべがない

東日本大震災後の津波に襲われた人が浮かべていた

茫然自失の表情に似ている