「東電原発事故をターニングポイントに」2-5 | SUEのブログ

「東電原発事故をターニングポイントに」2-5

つづきです。



27 原発を減らすための方法

   発電所の数は「ピーク」に合わせて作られている。
   よって、全体の電気量を減らすことにはあまり意味がなく、
  「ピーク」を減らせれば、発電所の数を減らすことができる。

   日本でのピークは1年8760時間中の10時間だけしかない。

   そのうちの9割を産業が作り出している。
   家庭だけがいくらがんばってもダメ。
   産業からまず変えないといけない。

   大口企業の電気の使用量は全体の31%もあるのに、電気料金は
  全体の21%しか払っていない。
   一方、家庭は全体の24%しか使用していないのに、電気料金は
  全体の30%を払っている。
   企業の電気料金を安くした分のしわ寄せを家庭に押し付けている
  形になっている。

   日本の電気料金は「家庭」においては「使えば使うほど高くなる」
  料金体系になっていて、 「産業」においては、電気を「使えば
  使うほど安くなる」料金体系になっている。

   ということは、製品を作るのに、1個あたりに掛かる電気料金を
  安くするためには、電気の消費の多い月は「もっと電気を消費する」
  ようにした方が得になる。

   この料金体系によって、企業の省電力のやる気をそいでいる形に
  なっている。

   LEDのように高価で有効な節電設備があっても、なかなか
  取り入れられない理由はそこにある。

   もしも、産業も「使えば使うほど高くなる」電気料金になったなら、
  試算上、3~5割も電気量を減らすことができる。

   つまり、計画停電自体やらなくても夏場を乗り切ることはできる。


   日本の電力の「ピーク」についてもっと調べてみると、それは
  「夏場」「平日」「日中の午後2~3時」「31℃を超える日」
  に限られる。

   つまり、クーラーの消費による増加である。

   これを抑える良い例がアメリカにある。

   ある都市で(すいません、都市名を忘れました。)、ピーク電力を
  抑えるために1000万世帯の家庭に対して、クーラーに2本の線を
  つけて、1本は電力会社からのコントロールで「入り」「切り」
  できるようにした。

   そこで、ピークを超えそうになると電力会社から「5分」だけ
  クーラーが輪番停電のように順番に切られていく。

   60分中5分ずつ切るのだが、これが利用者が切ったとわからない
  ぐらい冷房の効果を失わないで、ピークを下げるのに十分な効果の
  節電を果たしている。

   アメリカの電力会社がこうした理由は、余計な発電所を作りたくない
  から。
   100万KWの原発1基作るのに5000億円かかるのであれば、
  ピークを下げてしまった方がずっと割安にできる。


   電気料金の上下で対応しているフランスの例もある。
   フランスでは夏場の電力ピーク時になると電気料金が11倍に
  跳ね上がる。
   その結果、省エネ意欲に拍車がかかって、ピークオフに成功
  している。

   
   また、発電所の「稼働率」を比べてみると、
   
   日本      58%  
   ドイツ・北欧  72%

   日本の発電所をドイツ・北欧並みに稼動させれば、それだけで
  ピーク電力の25%の発電所は要らなくなる。
  
   原発の設備量は全部で22.3%。

   つまり、原発すべて停めても電力は不足することはない。

   効率の悪い発電所を最大効率の発電所に合わせる(トップランナー
  方式)を採用すれば良い。   

   

  



28 自然エネルギー100%は可能?


   2010年、ヨーロッパでは新たに作ったエネルギーの60%が
  自然エネルギー。
  
   ここまで広がった理由は「安いから」。

   日本では高くて役に立たないというイメージで伝えられるが、
  日本は情報鎖国でいいようにメディアが勝手にコントロールします。




   実は、日本は自然エネルギーだけで100%やっていける。


  A 「風力発電」の可能性

   
   東京電力が東京大学に委託して行った研究で、
  「犬吠崎の沖合いに風車をびっしりと建てたらどれぐらい発電するか」
  ということを調べさせた。
 
   その結果、東京電力が年間に販売する282TWhと同等の電力が
  まかなえることがわかった。(日本の1/3の電力量)
   
  
   この結果を見て東京電力は東京大学に「このデータを表に出さない」
  ように依頼した。

   ※よく調べるとネット上でも拾えます。

   http://www.energy.iis.utokyo.ac.jp/html_faculty/
  html_07/ishihara.html       

      
   ただし、この報告書の最後はこう書かれている。
  「水深500Mを超える海域にあり、経済的に利用が難しい」

   風力発電は通常は浅瀬に刺して行われるが、日本の海域は突然
  深くなるので、長い発電所が必要となり、経済的でない。

   ところが、九州大学が作った風車がある。
   カーボンファイバーでつくられていて、海に浮く。
   そして勝手に発電してくれる。
   
  http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10291984643.html

   「大規模洋上風力発電」は可能になってきている。

   
    犬吠崎の沖合いだけで日本の1/3以上の電力をまかなうことが
   できるし、その他の「適地」はいくらでもある。


  B 「地熱発電」の可能性

   アイスランドはエネルギーの70%が地熱発電でまかなっている。
   地熱発電で発電した後、セントラルヒーティングで各家庭にお湯を
  配っている。
   それでもお湯が余るので広大な温泉を作った。

   実はアイスランドの「地熱発電装置」は「日本製」である。
   世界で一番優れた地熱発電の装置を日本が作っているのだ。
   そして各国に送っている。

   アイスランドの地熱発電の関係者はこういうのだそうです。

   「同じ島国で同じ火山国で技術のある日本には、いったいどれだけの
   地熱発電があるんだい?」

   実際はほとんどありません。

   日本がもし本気で地熱発電をやると今消費している電気の30%を
  まかなえます。


   
   Aの「大規模洋上風力発電」とBの「地熱発電」だけで日本は
  エネルギー自給が可能である。


  
  C 「小規模水力発電」の可能性

   
   小規模水力発電とは、道路脇の水路に、鉄板をらせん状にした
  ものを取り付ける。
   水が落ちるたびにカラカラと回って発電する。
   4.5Mの長さがあれば4人家族一軒が自給できる。

   問題なのはこれで作った電気が自分で使えないことだ。

   自分の家の敷地内に水が流れていればOKだが、敷地の外であれば
  絶対に使ってはいけないことになっている。

   なぜならば、私たちは電力会社からしか電気を買うことを許されて
  いないからだ。
   
   「電力会社」に「買ってくれ」と頼むと断られる。
  地球温暖化防止に有効な発電であるにもかかわらずだ。

   買ったとしても2~3円/KWぐらいでしか買わない。
   売るときは22円/KWも取るくせに。


  D 「波力発電」の可能性

   神戸大学院が作ったもので、9m×15mの楕円形の物体を
  洋上に浮かせる。

   その上にジャイロといい物がついていて、波で揺れるたびに
  クルクルと回る。
   回っている力をそのまま電気に変えるので、極めて変換効率が高い。

   1機あたり太陽光発電の15倍の45KWを発電することが可能。

   しかも、波がある間中発電できるので、日が照っている時しか
  発電できない太陽光と違って、1日中発電が可能。 

   http://jstshingi.jp/bunya/pdf/072807.pdf#search =
   '波力発電 神戸大学'
  
 
   日本は面積は狭いが、海を含めると国土の12倍の面積がある。

   発電できる場所は実は多い。

 
   海の上の「波」という資源、「風」という資源、これらを有効活用
  すると日本はエネルギーの輸出国になれる。





つづく