今から2年ほど前…俺たちが22歳の時の会話である。


けいじ:「なぁ、よこいって中学時代もてたのか?」


よこい:「ばっか、お前に女の子押し付けられたくらいのもんだろ…」


けいじ:「あーそんなこともあったなぁ。笑」


よこい:「でもな、俺だってラブレターをもらったことあるんだぞ」


けいじ:「え?まじで?」


よこい:「ふっふ。実はなぁ、中3の時に後輩らしき女の子からラブレターがきてたんだよ」


けいじ:「えーまじかよー!」


よこい:「まぁ名前も書いてなかったし、誰かわからないから返事はしなかったけどね」


けいじ:「えーもったいねー」


よこい:「どうだ?驚いたか?」


けいじ:「……あ。


よこい:「…どうした?」


けいじ:「…よこいよ…今思い出したんだけど…」


よこい:「なんだどうした?」



けいじ:


















「そのラブレター

出したの俺だわ♪




ギャハハハ!!!」



















よこい:「!!!!!」(唖然)








そのとき、すっかり忘れていた中学時代の俺(けいじ)の記憶が呼び覚まされた。




⇔GO 

 BACK!!⇔




あれは中学3年生の春だった。


俺は退屈な毎日に鬱屈としながら日々を送っていた。

「あー、なんかおもしれーことないかなぁ」

そんな言葉が口癖のようになっていた。



しかし、聡明にして賢明な俺は、すぐに考えを切り替える。

そうだ、学校生活は面白いものではない。

自分で面白くするものなのだ。




そこで、当時中3だった俺は授業が終わった放課後、あるクラスを訪れた。


そこは3年1組。(俺、よこい、なおやの3人は5組だった)


1組は、俺たちの学年で一番の美女がいるクラスだった。


1組の教室に入る俺。教室を見回して美女を探す…。


いた。


窓際で友達と話している。


その美女は、女の子のグループの中で美しく談笑していた。

やはり飛び切り端正な顔立ちだ。自他共に認めるといった感じだ。


女の子が「かわいいタイプ」「きれいタイプ」に分かれるなら、彼女は後者に属するタイプだった。

前者の「かわいいタイプ」に属するナンバー1は2組の女の子だ。(今では名前も思い出せない)

1組の美女と2組の女の子は、俺たちの学年では最強の2トップだった。

男同士では2人だったらどっちがいい?なんてくだらぬ話をしたものだった。


どんな学校にも、そんなとびきりかわいい子が2、3人はいる。




で、俺は1組の美女のもとを訪れた。


なぜ2組の美女を訪れなかったのか。別に2組でもよかった。

だが、1組の美女はその美貌もさることながら、学年で1、2を争う頭脳の持ち主だったのである。

常に中間テスト、期末テストで上位に入る彼女。時にはトップも取っていたはずだ。

頭がいい奴のほうが話が早い。ってなわけで俺は1組の美女に近づいた。

俺はその美女と話すのは初めてだった。

理由は簡単で、かわいい女の子に群がる悲しい男どもの一人になりたくなかったのだ。


だが、俺はサッカー部の部長だったし、美女は吹奏楽部の部長だったので、彼女が俺を知らないはずはない。

念のため、俺の隣には、美女と仲のいい同じ吹奏楽部の女の子をひとり連れてきている。

その辺は抜かりない。

これでいきなり俺に話しかけられても大丈夫なはず。彼女の警戒心は解けている。

そこで作戦決行。


けいじ:「あのー○○さん」


美女 :「えっ私?何ですかー?」(少し驚いた様子。でもこれなら大丈夫だ)


けいじ:「突然で悪いんだけどさ、ラブレター書いてくれないかな?」


美女 :「は?」


けいじ:「いや、実はね、こういうことでさ…」


…手短に事情を説明。3分後、ニヤリと笑って彼女は言った。


美女 :「いいよ、書いてあげる」


俺はなんなく仲間を手に入れた。作戦成功。


美女 :「…でラブレターはなんて書けばいいの?」


けいじ:「そうだなぁ。とりあえず、設定は年下のうぶな女の子で、好きな人を影から見てるって感じに


美女 :「オーケー。ちょっと丸字のほうがいいかもね(笑)」


けいじ:「いいね(笑)」


美女もなかなかのノリノリぶりである。

正直そんな女の子には見えなかったので今度はこっちがびっくりだ。


美女がラブレターを書き始める。


そこで俺がすかさず言う。


けいじ:「あ、ラブレターの宛名は






















よこい先輩♪で。」

















いやーなつかしい!!!(ゲラゲラ

こうして、美女に書いてもらった偽ラブレターよこいの靴箱に届けられた。



あの日から7年近く、よこいは本当に後輩からラブレターが送られたと思っていたわけである。


たぶん、当時15歳の俺はよこいに、


「よこいー最近いいことあったかぁ?」


とか聞いてよこいの反応を見て楽しんでいたと思われる。

性格最悪



…この話をよこいにバラすと、よこいはおおいに怒った。



よこい:「けいじ!!お前、なんてことすんだよ!!!(泣)」



しかし、俺の回答はこうである。







麗しき中学時代にドキドキ感をプレゼントしてやったのだ。











「ありがたく思え!!」とな。

おしまい(・∀・)




注)僕が忘れてるだけで、小学中学高校に行った僕の悪行はかなりあるようです。

思い出したら書きませう。誰が被害者かも僕はすっかり忘れてます。笑

被害者の方、御一報下さい。