いったん思い込むと、あたかもそれが真実かのように私たちは疑うことはありません。

そして、それが、真実ではないと否定しても、なかなか変えることは難しいと話をしました。

それは、感情が思い込みの味方をしているからです。


思い込みを肯定すると平静でいられますが、思い込みを否定すると嫌な感情が沸き上がります。

これは、無意識の罠です。

嫌な感情を使って、思い込みをうまく隠そうとします。

その罠にはまっていると、いつもの思い込みを続けることになります。

 

私たちは、いつも罠にはめられて生きているといってもいいでしょう。


その罠から抜け出すには、この仕組みを理解し、気づかされないようにしている思い込みに気づくことです。

そして、卒業式をするように大事にその思い込みを扱えばいいのです。

卒業式では、来賓や関係者を呼び、過去の出来事を思い出し、その過去を支えていただいた方々に感謝の気持ちを伝えます。そして、新たな旅立ちを決意し、希望をもって生きようと誓います。

思い込みも同じです。

思い込みは、過去の自分を作り上げてくれました。その思い込みのおかげで、危険を避け、今の自分を作り上げてくれました。決して否定するものではありません。

その思い込みに感謝をしながら、今の自分で生きるために不都合な状況に至っている問題を解消するために新たな自分を作り上げて、希望をもって生きることを誓うことになります。


過去の自分を大事にしながら、且つ未来の自分を作るために新たな歩みを進めることになります。

未来の自分を築くには、今まで以上に強い意思が必要です。
そして、これまで歩んできた自分に対する感謝の気持ちが強ければ強いほど、意思は強くなります。

例えば、
「そうだったんだ。その思い込みがあったんだ。今まで支えてくれてありがとう。」
「あなたのおかげで、こんな危険を避けることができました。これからはこの危険を意思の力で乗り越えてみせます。応援してください。」



思い込みに感謝をし、承認することで乗り越えることができます。

 

例 口下手な私だと思い込んでいた。

・本当に私の事を分かろうとしてくれる人は、しつこいくらい私に質問をしてくれました。
おかげで、本当に私を大切にしてくれる人を見つけることができました。

・自分の思いをうまく伝える人をモデルにして頑張ろうとする自分を作り上げてくれました。
おかげでコミュニケーション能力を磨く技を知ることができました。

・コミュニケーションの大切さを知ることができました。
おかげで、躓く人の気持ちを理解できる私になりました。

・支える側の自分になり、支える側の気持ちを深く理解することができました。
おかげで、支える側の気持ちがわかるリーダーとなって頑張ろうという気持ちが沸いてきました。

このように思い込みを否定せず、感謝したり、新たな歩みを見つけたりする事があるはずです。

  いよいよ卒業です。

長い人生が目の前に開かれています。

今後、いくつかの卒業式を経験することになるかもしれません。その第一歩を歩み出してみませんか。