怪文書「原発がどんなものか知ってほしい」の功罪 | 猫惑星日誌

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■まず、今、ブログやTwitterなどで拡散されている記事
「原発がどんなものか知ってほしい」の原文をご覧ください。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/

・・・ところが、この文書については
これまで原発で問題が起こるたびに取り上げられて
さんざん混乱を起こしていた「怪文書」だということです。

それで今回、福島原発の被災で
またもやネットで紹介され、混乱が再燃する形となっています。

以下に、これまでの混乱についての詳細が書かれています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
http://www.faireal.net/dat/d2/d20903.xml

■「原発がどんなものか知ってほしい」は知る人ぞ知るネット上の怪文書だ。

この文章は、読者を二重に混乱させてきた。
・ 第一種の読者は、書かれていることを普通に信じてしまう人で、
ブログで共感の日記を書いたりするのだが、
事実を知る人からコメントがつき
自分も確認して恥をかく

…そんなことが繰り返されている。

・第二種の読者は
「この文章は平井という人が書いた反原発プロパガンダで、
内容は間違いだらけ」と認識しているが、
それもちょっと事実と違う。

■誇張された講演に素人が尾ひれ

この文章を掲載している反原発の会ができたのは2000年、
著者とされる平井は1997年までに亡くなっているから、
このウェブ文書を平井自身が執筆した可能性はない。

平井自身は、不治の病で気持ちが動転している面があったにせよ、
現場を知る技術者であり、
それほどめちゃくちゃなことは言っていないはずだ。

技術者が「放射能でロボットが狂う」だの
「原発の建物の物はすべて放射性物質に変わる」といった幼稚なうそを、
公の講演で言うはずがない。

他方、現場ならではのリアリティある記述も多く、
平井自身は門外漢ではない。

幼稚な間違いと現場のディテールの混在は、
複数の人間がかかわって成立した文章だと考えることで、
最も合理的に説明できる
(「平井は精神病で、認識が混乱していた」などの特殊な可能性は除外する)。

結論だけ言えば、
この文章は平井の講演に基づいている。

平井は自ら告白しているようにアルコール依存症らしく、
自分が病気になったのは
すべて原発が悪いのだという短絡的考えが根底にあるようだが、
講演の内容自体は、現在の文章ほどでたらめではなかった。

講演会を主催した科学的知識に乏しい反原発の人が、
自分なりの勝手な解釈を加え、
平井が誇張した表現にさらに尾ひれをつけた。

尾ひれのついた伝言ゲームであるにもかかわらず、
すべて現場を知る人の直接の発言であるかのように表示したため、

混乱と偽のインパクトが生まれた。

「去年(一九九五年)」「二月(一九九六年)に」という表現から、
オリジナルの講演の時期は1996年春~1996年末のいつかだ。

間違い方の程度から見て、
文章化した人は、基礎的知識がなく「不安」という先入観に支配されている。

もとは縦書きだったようだ。
素人が数名を相手に刷っていたミニコミ紙のたぐいか。

こういう活動それ自体は、良いことであり、応援したい。

結果的には間違いだらけで、
基本的な調査を怠るなどアプローチがまずいが、
それでも、世の中のことに無関心でいるより、
自分なりの意見を発表しようとする態度自体はりっぱだ。

追記: http://www.janjan.jp/living/0501/0412292132/1.php によると、

「原発がどんなものか知ってほしい」は
故人である平井氏が生前語った話を
「PKO法『雑則』を広める会」の佐藤某たちがまとめたものだという。

予想通り、本当の筆者は平井氏ではなかった。
内容の程度については、上記のような
あまり信頼されているとも思えないメディアであってさえ、良心がうずいたらしく、

「編集部注」で、現場を知る平井氏本人の文だというのはうそであることを補足している、
という点からも、 推測できる。

暇を持て余しているなら、実際に読んでみれば、
どれほどめちゃくちゃかは、 素人でもすぐ分かる。

わたしは、中立ではなく、
現在の原子力発電や東京電力のやったことにはっきり反対する立場であり、
特にごまかしや隠蔽には強い嫌悪を抱くのであって、
反原発の立場からも、
このような、著者名すら偽りであるねつ造資料
「原発がどんなものか知ってほしい」の存在は、
混乱を招き、かえって反対運動への信頼を失わせるものだと考える。

ただし反対する立場といっても「今すぐ原発を止めろ」といった
非現実なことを言うわけではなく、
変えていかなければならない部分がたくさんあるし、
今の原発がエネルギー供給の完成型とは思えないということである。

特に、天然ウラン資源がこのままでは100年ももたないという事実に即して、
現状では駄目だと主張するのである。

賛成か反対かという単純な二分法ではない。
既存の原子力発電所を叩くことは、エネルギー問題の解決に少しも寄与せず、
それこそ無駄なエネルギーである。

原子力発電にどういう意見を持つかは個人の自由だ。
反対することは少しも悪くない。
少なくとも部分的には懸念や不安があるのは、当然だろう。

ただし「この文書を根拠に」反対するというのは、問題がある。
反対するのがいけない、という意味ではない。

★反対するのはいいのだが、この文書を持ち出すのはやめた方がいい。

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■反論者も勘違い

『知ってほしい』をそのまま信じる人は問題外として、
「平井という人の怪文書」と思っている読者も勘違いしていることになる。
『Re:原発がどんなものか知ってほしい』で反論した人自身、
同じ勘違いをしている。

『原発がどんなものか知ってほしい』で素人がつけた尾ひれ。
明らかに間違っている部分。 『Re:原発がどんなものか知ってほしい』では、
それを「現場を知る技術者の発言」として真剣にとらえた。

理解に苦しみながらも、
どういう極端な状況でそんなことがありうるのか一生懸命考え、
コメントした。

そのため、原子力問題の核心からずれた、
ほとんどあり得ないケースの枝葉での、かみ合わない対話が多い。

次の例を考えてみよう。

「ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、
頭はそっちの方にばかり行きます。
アラームメーターが鳴るのが怖いですから。
アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、
初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。
これは経験した者でないと分かりません。
ビーッと鳴ると、
レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。」

平井がしゃべった内容は、
おそらく「線量管理があるから、のろのろ作業することは許されない」
「アラームは作業現場で騒音があっても聞き取れるように非常に大きい音で、
めったに鳴らないが、鳴るとびっくりする」
「被ばくと言っても、みなさんが検診などでレントゲンを何枚か撮るのと変わらない
安全なレベルだが、 そうはいっても不安はある」という主観的不安であり、
自分はそのせいでガンになったという思い込みから、
多少誇張してしゃべったのだろう。

それを文に起こした者は「頭はそっちの方にばかり行って作業は手抜きです。
アラームが鳴るのは非常に怖いことで、
レントゲンの何倍、何十倍というおそろしい量の放射線をあびてしまうのです」などと、
尾ひれをつけたのだろう。

尾ひれといっても悪意や扇情主義ではなく、
無知からくる率直な(しかし間違った)不安が根底にある。

一般的なX線検診(胸部撮影)での医療被ばく実効線量は平均 0.057 mSvで、
それを基準に何十倍(約2 mSv)という量は、
実際の現場では考えにくい値だが、 絶対ないとは言えない。

しかし問題になる量は50~500 mSvのオーダーであり、
胸部直接撮影はたとえ100倍の5.7mSvでも、 それよりはるかに低い。
要するに、そもそもそんなことはまずないし、
たとえあったとしても、問題ない。 十二分に余裕を見て基準値は決められている。

『Re:原発がどんなものか知ってほしい』では、こうした素人の勘違いや誇張に対して、
いちいち真剣に回答している。


「RE:原発がどんなものか知ってほしい」
※注:オリジナルサイトは閉鎖されています。
これは、WayBackMachineによって保存されたものです。(表示されるまで時間がかかります)

▼以下のように表示されれば保管されたサイトは存在します。サイトが表示されるまでお待ちください。



Welcome to Wayback.
Loading...

http://user33.at.infoseek.co.jp/

as close to the date:

8:11:46 Aug 6, 2007

as is available..



この「RE:原発がどんなものか知ってほしい」を、さらに補足されたブログもあります。

「原発がどんなものか知ってほしい、ね。V」(ahさん作)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・・と、こんな感じです。

まさに現在、ネット上で同じようなことが起こっています。

どんなに誠実そうに書かれた文章でも
真に受けてはいけませんね。

現実に起こっていることを、
まず自分の目で確かめて判断しないと
良かれと思ってしたことが
空振りに終わります。

(それだけで済めばよいのですが。。)

・・・とにかく

数多くの命が危険にさらされているときには
早急な問題解決に勝るものはない。 、と私は考えます。

現場で命の危険にさらされながら
復旧作業に当たっておられる方々の
ご健闘と成功と健康を心より祈ります。


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