体幹深部への重粒子線照射の例として、2008年4月の私の肺転移部への照射計画をあげる。
やはり注目ポイントは20GyE以上浴びる正常細胞の体積である。図では50%の等高線(黄緑)。
この例では70%以上の線量分布はほぼ重なっており、腫瘍とその廻りのマージンに殆どの
エネルギーが集中していることが判る。ハイリスクな正常組織は「最小限」に抑えられている。
3Dであれ、IMRTであれ、これがフォトンであれば(患部がどんなに小さくとも)左肺野の1/3は
諦めねばならない。しかも脊椎や心臓、場所によっては気管や食道すら「道連れ」になる。
実際の患部はもっと「きわどい」場所にあるケースも少なくない。「はみ出した」部分の
リスクが線量の上限を決めたり、適応そのものを無くすケースすらある。
フォトンと比較し重粒子の利益が2倍なのか5倍なのか?を示すには未だ統計不足である。
が、2倍であれ5倍であれ患者にメリットがある現実を放射線腫瘍医は直視すべきである。
リスクと制御力の両面を物理的、臨床的に公平に見て、
放射線治療の「当面」のゴールが重粒子である事は疑い様が無い。
が、重粒子線の普及ですら「究極のビーム医療」の1つのステップに過ぎない。
放射線治療の真のゴールが遙か彼方にある事を順次示していきたい。
やはり注目ポイントは20GyE以上浴びる正常細胞の体積である。図では50%の等高線(黄緑)。
この例では70%以上の線量分布はほぼ重なっており、腫瘍とその廻りのマージンに殆どの
エネルギーが集中していることが判る。ハイリスクな正常組織は「最小限」に抑えられている。
3Dであれ、IMRTであれ、これがフォトンであれば(患部がどんなに小さくとも)左肺野の1/3は
諦めねばならない。しかも脊椎や心臓、場所によっては気管や食道すら「道連れ」になる。
実際の患部はもっと「きわどい」場所にあるケースも少なくない。「はみ出した」部分の
リスクが線量の上限を決めたり、適応そのものを無くすケースすらある。
フォトンと比較し重粒子の利益が2倍なのか5倍なのか?を示すには未だ統計不足である。
が、2倍であれ5倍であれ患者にメリットがある現実を放射線腫瘍医は直視すべきである。
リスクと制御力の両面を物理的、臨床的に公平に見て、
放射線治療の「当面」のゴールが重粒子である事は疑い様が無い。
が、重粒子線の普及ですら「究極のビーム医療」の1つのステップに過ぎない。
放射線治療の真のゴールが遙か彼方にある事を順次示していきたい。