骨盤転移に伴う障害の場所と程度をまとめておく。
図に示す様に転移箇所は、仙骨、腸骨、及び骨盤内外への進展部。

・痛み:10段階で「耐えられない痛み」を10,「眠れない、鎮痛剤が必要な痛み」を5とすると
    (「耐えられない痛み」を私は今回初めて体験した。呻き声も出せず自殺を考える程度。)
    臀部大腿部ー4月にレベル5、
          5月中旬にレベル7~8,
          5月下旬~6月上旬にレベル10。
          「アイスピックかハサミを10cmくらい24時間ずっと刺したまま」な感じ。
    仙骨、腸骨ー4月にレベル2、
          5月以降レベル5~6。
          溶骨に伴う焼ける様な痛み。

    臀部~大腿部の痛みは坐骨神経を直接浸食される為、通常の「痛み」とは質的に異なる。
    安静時、特に眠りに入る時などに急激に増強し、痛みで呼吸が出来なくなる。
    しばしば「癌は夜間に活性度が上がる」とか表現されるが、私の場合は昼夜には関係なく、
    とにかく「安静時」がひどくなる。抗癌剤治療直前の約2週間は殆ど「寝た」記憶が無い。
    (交感神経を介する内臓痛や皮膚痛とは異なる?)

・痺れ、硬化:坐骨神経を介している事からふくらはぎ、足の甲、足の裏にも痛みがある。
    が、5月以降はしびれが増強し、5月下旬には「硬化」が始まった。
    ふくらはぎや足の裏が「つった」状態のまま固まり動かない状態になった。
    ヒザと足首が曲がらない。以降1ヶ月近く、右足は棒の様な状態になった。

・浮腫:足の付け根のリンパ節を腫瘍が圧迫する事で浮腫も起こった。6月に入ってからは
    ふくらはぎと足首から下の浮腫が起こり、ゾウの足の様に膨張。最初に靴が入らなくなり、
    最終的にはサンダルを足先で引っかけ、引きずりながら歩く状態になった。
  
移動は電車のつり革にぶら下がり、立ったままの姿勢以外は不可能。タクシーも乗れない。
うつぶせで寝た状態なら15分間程度は我慢可能で、昼夜を問わず寝たり立ったりを繰り返した。

使った鎮痛剤は
ボルタレン座薬50mgを3回/日(0時、8時、16時)と、
ロキソニン    を4回/日(1時、7時、13時、19時)の併用。

食事の時間は基本的に朝食7時、昼食12時、夕食19時、な為、何回かは空腹時の
飲用、処方となる。これでレベル10の痛みはレベル6~7ぐらいに軽減できる。

本来この2種の鎮痛剤は併用しても「重ね合わせ効果は無い」とされているが、時間的な
「ピーク位置」をずらす事で、私の場合は随分効果があった。

しかしレベル6~7では結局、夜は一睡も出来ず、立ったままうめいている状態の為、
がんセンターではオキシコンチンの処方を毎日強く勧められた。

ただ、私の場合、放射線治療へのドロップアウトの時期を自分の「感覚」で決める必要がある。
「効き過ぎる」可能性のある麻薬系の鎮痛剤を追加するわけにはいかない。抗癌剤投与前後の
期間、延々と痛みに耐え続け自分の状態を把握し「限界」を見極める必要があった。