2007年12月11日:重粒子線照射Day1

1回目の照射は「A室前半1番目」である。毎週月曜夕方に1週間の照射スケジュールが決まる。
患者には1週間分の「順番」が記載された紙が配布される。照射後は「自由時間」となる。
「1番」の場合、時間のズレは殆ど無い。私の場合線量測定後の9:30頃に始まり9:45には終わる。

添付図は病棟や準備室の壁に掛かった「スケジュール表示モニター」である。非常に便利である。

1回目は胸から照射。照射台の上に寝、呼吸を整える。腫瘍形状に合わせたボーラスがセットされ、
最終的に位置調整を行う。治具の様子や私自身の感覚から察する限りでは誤差+再現性のトータルで
精度「±0.5mm前後」という感じではないかと思う。部位や患者の「慣れ」にもよるが厳しめに
言っても誤差「±1mm以内」という評価で差し支え無いと思われる。

私の1日の照射量は4.5Gy/E=1.5Gy[for X ray]=1.5Sv=1.5J/kg=0.36cal/kgでしかない。
HIMACは0.5Hz運転なので「2秒に1回」ずつビームは飛んでくる。これを2~3パルス撃つこと
で4.5Gy分にする計算である。つまり1回あたりはたった~0.1cal/kg程度のオーダーである。

通常、患者は全くの無感覚である。痛みやはおろか「照射した事」すら判らない。、、ハズである。
が、私は微かではあるがハッキリと「衝撃」を感じた。胸の奥に「スドンッ!」という感じである。
勿論これは比喩で実際は非常に微かな「熱パルス」の様なモノである。そんな気がした。

照射は実にあっけなく終わる。食事し、風呂に入り、本を読み、、。全く問題無く過ごす。が、
Day1の午後、急激に眠気を感じ夕方まで熟睡。夕食後また朝まで熟睡。どういう訳か眠い!?
Day2も非常に微かであるがパルスを感じた。但しそれはDay1の1/10ぐらいだったと思う。
もう眠くもなんとも無い。結局全治療を通じて異変らしきモノはこの「初日の眠気」だけだった。

Day3以降「パルス」も全く感じなくなる。私の場合、照射自体について特筆すべき事は無い。

ただ3日目以降、散歩などしていると時々胸が「ムズッ」とする感じがした。実は私は原発部の
「縮小の感覚」を知っている。化学療法が効いていた時の経験で腫瘍が「小さくなる感じ」や
「骨や血管から剥がれる感じ」が判る。がんセンターの主治医に言わせると「あり得ない」
そうだがCTの経過と私の感覚は常に一致していた。

今回も間違いなく「効いている」と思った。それも照射後わずか「3日目」からである。