多くの癌患者には「自覚症状」がある。それは疝痛などの明らかなモノ以外にもちょっとした肩の
「ハリ」とか胸の「違和感」などである。それらは1日中だったり3日に1回だったりする。
このブログで後述するつもりであるが私の場合も微かな違和感が残っている。再発への準備を始めた。

そもそも私は遠隔転移のある末期癌患者である。周辺の骨への浸潤も明らかで寛解後再発もした。
最も根治に程遠いケースの1人と言っても差し支えない。癌研究全体の中で私のようなケースは
どの程度あるのだろうか?
統計

添付図はネットで簡単に入手できる中では比較的新しい統計データである。6つの府県の癌登録
データではあるが「診断時の進行度分布」が類推できるので私にとっては有用である。over all
で約20%の肺癌5年生存率になっており、90年代後半のデータとしては他調査と大きく違わない。

患者の多くは「予後の悪さ」を気にする。それに加えて私が感じたポイントは、
・診断時の遠隔転移+(周辺)領域患者が意外と多い。(最近では検診が功を奏しているらしいが)
・遠隔転移が診断されながら長期生存を果たした人が約2%?「も」居る。(単純計算で約100人)
・領域患者は手術適用もあるが(恐らく)その多くは根治に至っていない。
点などである。

この2%の生存者は何が違ったのだろうか?どの薬を何mg/m^2投与したのか?経過や縮小速度は?
そもそもの腫瘍成長速度は?再発は?部位は?体調は?栄養状態は?代替療法は?5年後以降は?
治療前後の職業、仕事量は?ストレスは?食事内容は?睡眠時間は?、、等々調べたい事だらけである。

通常、自然科学では様々な試行錯誤を繰り返しながら実験等を計画・準備し新しい発見を見いだす。
いわば「無数の失敗」と「数少ない成功」があり、研究者はその境目に時間や資源をつぎ込む。
癌という人知を超えた問題へのアプローチとして「100人の成功例」の吟味は重要なハズである。

しかしながら私の調査では「特別な100人」に関するまとめは見つける事が出来ずにいる。
もしかすると「偶然」や「幸運」として片づけられたのだろうか?症例が少ない事や原理に
基づく推論である為に「エビデンスレベルが低い」との評価で終わっているのだろうか?

統計的な癌対策の主戦場は「遠隔転移・再発後」である。が、残念ながらその地域は「敵の支配下」
にある。私は最も生還に遠い地点に居る。もしも私が生還ルートの1つを開拓できれば多くの患者
にとって有益な情報を与える事ができる。仮に生還出来なかったとしてもその失敗例を遺す事で、
注意を促す事になるであろう。私の努力はムダにはならないと考える。