2007年8月13日:6コース目Day6、経過説明
添付図は唯一「残存」が疑われる病巣の治療前、後のCTの比較である。
他の原発、転移巣にはスライス断面10mm間隔の画像では異常は認められない。
腫瘍マーカは元々陰性なので判断に用いず。(これは珍しい事ではない)

主治医の判断は
・CR、寛解判定(腫瘍が確認できなくなること。完治とは異なる)。
・経過観察に移行したい。最初は月1回、半年程度経過後は3ヶ月毎。

私の意見は
・多くの再発例は同様の判断の結果では?。直ちに追加的な放射線、あるいは
 手術を実施すべきではないか?
・肺野の「残存影」の活性度が非常に気になる。早めのPETを御願いしたい。

この「残存」に対する捉え方と処置について珍しく主治医と私は対立した。
意見の違いを生じさせた原因は以下の様な「理解の違い」であったと思う。
1.再発リスクの考え方の違い
2.次回治療までの時間的猶予の感じ方の違い
3.手術、放射線における「リスク」の理解の差


1時間近い議論の末、以下の共通理解・対応を決め。抗癌剤治療を終了した。

1.1~2mm程度の「中間的なサイズの腫瘍」は消失した可能性もある。
  これらが再発するかどうかの見極めが最も重要。

2.原発を含め4カ所あった5mm以上の病巣については再発可能性が高い。
 (どんなに抗癌剤が奏効してもcmオーダーの腫瘍は20~30%は再発する
  と考えるのがスジ。例えば4つあれば1~2個は考えておくべき。)

3.しかしながら、その「順位」は今は判断できない。再発の対応は放射線、
  手術、ラジオ波等が考えられるが今「当てずっぽう」な処置をとることで
  将来の選択肢を無くす可能性がある。メリットもあるがデメリットもある。

4.治療は「始めたら休み無く一気に!」がコツだが、治療の間の腫瘍成長は
  通常の癌では(患者が感じる程には)デメリットにはならない。休薬期間を
  有効利用し、癌の「出方を探る」メリットは大きい。

5.PET-CTは1ヶ月後の9月14日に予約。

経過観察とは「何もしない期間」では無い。
「癌の性質を見極め」「こちらの体力回復をはかる」重要な治療の一環である。