俳優の大口兼悟くんの招待で観劇させてもらった。
つかさんは私が多大な影響を受けた劇作家・演出家である。
最初に観た風間杜夫さんの『熱海殺人事件』は、
上京して一番最初に観た演劇だった。
その音響の大きさと
セリフの速さに驚愕したのが昨日のことのように
思い出される。
あれから30年が経ち、私は演出家になり、
つかさんは今年、逝去なされた。
一度だけだが、オーディションを受けたことがる。
全部口立てで、一日かけた稽古の様なオーディションだった。
前の人が台本を持ってセリフを言っていたので、
私も(セリフは入っていたのだが)持って立つと、
「なんだ、おまえも覚えてないのか」
とがっかりされたようにおっしゃったので、
台本を離してセリフを言った。
口立ての演出を受けてるうち、
なかなか私が覚えないのに業を煮やし、
「もういいかげん覚えろよ!」
と言われ、(セリフとカンチガイし)そのまま
「もういいかげん覚えろよ!」
とカンチガイして言ってしまったこともあった(笑)。
一度でも会えたことが嬉しい。
大口くんは×××ーの役で××から登場し、頑張っていた。
『熱海殺人事件』の××××さんと同じ登場の仕方だった。
彼の映像作品は観たことがないのだが、
魅力のある俳優であることは間違いない。