転職活動体験記⑥ ~お薦めのビジネス理論、ロジカルシンキングの本 | 元官僚戦略コンサルタントのブログ

元官僚戦略コンサルタントのブログ

某省でキャリア官僚として5年間程度勤務し、その後戦略コンサルタントに転じた著者が、官僚からコンサルへの転職活動を具体的に紹介するとともに、日々の仕事や生活の中で日本経済について思うこと、また読んだ本の書評などを書いていきます。

前々回の記事 では、ヘッドハンターが決まった後の筆記試験、面接対策として、以下の3つを挙げました。

①ビジネス理論やロジカルシンキングの解説本を15冊程度通読
②筆記試験対策として、GMATや判断推理の参考書を2,3冊消化
③ヘッドハンターの支援も得ながらケース面接の実践練習を数回実施


今回から3回にわたり、これらの具体的な内容を解説していきます。


ただし、筆記試験対策、面接対策の仕方は人それぞれです。
例えば、私の場合、ビジネス理論やロジカルシンキングを勉強したことがなかったため読書を手厚くこなしましたが、日々の業務の中でマーケティングや事業戦略に触れ、そうした理論の基礎知識をおさえられている方であれば、そんなにたくさんの本を読む必要はないでしょう。


したがって、以下に述べる私の対策内容は、一つの参考として捉えていただき、実際にご自分で対策をする際には、ご自分の知識、経験、強み・弱みなどを考慮してカスタマイズをしていただければと思います。



ということで、今回のエントリーでは①について解説します。


以前のエントリーにも書いたとおり、戦略コンサルの面接では「ケースインタビュー」という他業界にはない課題が課されます(ケースインタビューについては別のエントリーで詳述します)。採用プロセスの中で最も重視され、合否の分かれ目となるのがこのケースインタビューです。


戦略コンサルの面接対策=ケースインタビュー対策

といっても過言ではありません。


そして、このケースインタビューで適確に応答するために、ビジネス理論やロジカルシンキングの基礎知識が必要となるのです。


例えば、ケースインタビューで「A社の売上を倍増させるための打ち手を考えよ」というお題が出されたとします。


このお題に対して適確に答えるためには、


①売上を適切に要素分解(売上=顧客単価×顧客数、など)
②顧客単価を上げるための打ち手の考案
③顧客数を増加させるための打ち手の考案


などが必要となります。


①のような分解を迅速に行うためには、ロジカルシンキングの基本ツールである「ロジックツリー」の概念を理解し、瞬時に使えることが必要です。


また③のような打ち手を考案するには、マーケティング理論のフレームワークである「4P(price,promotion,place,product)」を理解し、そのフレームワークに沿ってもれなく・ダブりなく打ち手を検討する必要があります。


こうした点で、ビジネス理論やロジカルシンキングの基礎知識が必要となります。



では、私は具体的にどの本を読んだのか?


ビジネス理論、ロジカルシンキングに関する本は世にあふれています。その中で、ヘッドハンターに推薦してもらった本も含め私が読んだ本(約15冊)は以下になります。これらを、2か月程度の期間で、通勤時間や休日などを利用して読んでいきました。


★の数は実際に読んだ上での私の評価です。★4以上は読んで損のない本です。参考にしていただければと思います。これらのうち特にお薦めできる本については、追って書評も書いていこうと思います。



(ビジネス理論系)
戦略「脳」を鍛える(御立尚資著)(★5)
利益の方程式(勝間和代著)(★5)
最強のビジネス理論集中講義(安部徹也著)(★5)
ドリルを売るには穴を売れ(佐藤義典著)(★5)
戦略コンサルティングファームの面接試験(マーク・コゼンティーノ著)(★4)

通勤大学MBAシリーズ(グローバルタスクフォース著)(★4)


(ロジカルシンキング系)
仮説思考(内田和成著)(★4)
論点思考(内田和成著)(★4)
問題解決プロフェッショナル-思考と技術(齋藤嘉則著)(★3)
ロジカル・プレゼンテーション(高田貴久著)(★4)
地頭力を鍛える(細谷功著)(★4)
過去問で鍛える地頭力(大石哲之著)(★5)


(読み物系)
戦略プロフェッショナル(三枝匡著)(★5)
V字回復の経営(三枝匡著)(★5)
企業参謀(大前研一著)(★4)


(その他)
ざっくり分かるファイナンス(石野雄一著)(★5)
経営の大局をつかむ会計(山根節著)(★5)