転職活動体験記④ ~ヘッドハンターが決まったら何をする? | 元官僚戦略コンサルタントのブログ

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某省でキャリア官僚として5年間程度勤務し、その後戦略コンサルタントに転じた著者が、官僚からコンサルへの転職活動を具体的に紹介するとともに、日々の仕事や生活の中で日本経済について思うこと、また読んだ本の書評などを書いていきます。

支援してもらうヘッドハンターが決まったら、まず最初に、

転職活動のスケジュールと戦略を相談の中で決めます。

具体的には次のような点です。


1.筆記試験・面接に向けた準備期間をどの程度とるのか
2.いつ頃応募するのか
3.どの企業に応募するのか


これらについては、「特にこうすべき」という基準はなく、各々が自分で決めるべきものです。


参考までに、戦略コンサルへの転職活動の場合、一般的には

活動開始から内定を得るまでに3ヶ月~半年程度を要するようです。


私の場合も活動開始から内定までに5か月程度を要しました。

準備には比較的時間をかけた方だと思います。


以下、上記のそれぞれの項目について、簡単に解説をします。



1.準備期間


以前の記事にも書いたとおり、戦略コンサルの採用プロセスでは「ケース面接」というものが行われます。これは、戦略コンサルタントが業務の中で直面するような具体的なプロジェクトのケースを想定し、その分析能力や解決能力を問うものです。


「あるスキー場の売上が低迷している。5年後に売上を倍増するための戦略を考えよ」
「コンビニ1店舗の1日当たりの売上を推定せよ」


など。


具体的な例題は、以下のサイトにたくさん載っています。

http://ryuku007.blog108.fc2.com/blog-entry-9.html


ケース面接では、その場でお題が出されます。

そして、考える時間が若干(5~15分程度)与えられ、自分なりの回答をつくり、面接官に説明します。

短時間のうちに適確な回答を作れるようになるには、一定の準備が必要となります。


準備の仕方はさまざまですが、私の場合は、


①ビジネス理論やロジカルシンキングの解説本を15冊程度通読
②筆記試験対策として、GMATや判断推理の参考書を2,3冊消化
③ヘッドハンターの支援も得ながらケース面接の実践練習を数回実施


といった対策を行いました。


要した期間は1ヶ月半程度です。
平日の夜や休日を利用して進めていきました。


私の経験を踏まえると、読書はたくさんこなしておいた方が良いと思います。



2.いつ応募するのか


応募のタイミングは、面接対策などの準備がひと段落ついたときです。
準備が完全に終わるまで応募を待つ必要はありません。
というのも、応募してからすぐに筆記試験や面接が行われるわけではなく、タイムラグがあるからです。
応募後は概ね以下のようなスケジュールで進みます。


応募→(約1週間)→書類審査の合否の通知→筆記試験又は面接の日程調整

→(約1週間)→筆記試験又は面接


このように、応募から筆記試験(又は面接)までに少なくとも2週間は要します。
したがって、この2週間を利用して、筆記試験対策や面接対策を進めることができるわけです。

目安として「準備を8割方終えた」と思ったタイミングで応募するくらいが良いかもしれません。



3.どの企業に応募するのか


応募企業の選定はヘッドハンターの知見を最大限得るべきところです。
というのも、コンサルティングファームによって、採用意欲にかなり違いがあるからです。
現在は、リーマンショック後の悪化局面からは脱しつつありますが、

ファームごとにみると、業績が持ち直してきているファームとそうでないファームとに二極化しています。


いくら入りたいファームがあっても、そのファームの業績が悪い場合、

中途採用の門戸はかなり狭くなっていると考えなければなりません。


したがって、応募企業を選定する際には、


①希望するファームの採用意欲はどの程度か

②その採用意欲はいつまで続きそうか


といった点を十分に考慮する必要がありますが、

こうした情報は自分ではなかなか入手できません。


そこで、ヘッドハンターの力を借りるわけです。


ヘッドハンターは、転職の仲介が仕事なので、日々各ファームの人事担当者と情報交換をしています。

その中で、「このファームは採用意欲が高い」「このファームは低い」といったリアルタイムの情報を得ています。

そうしたヘッドハンターが持つリアルタイムの情報も活用しながら、応募企業を選定をしていくわけです。


なお、応募は必ずしも一斉に行う必要はありません。


第一陣で「志望順位が低い」あるいは「採用意欲が低い」ファームに練習として応募し、
ある程度数をこなした上で第二陣で「志望順位が高い」あるいは「採用意欲が高い」ファームに応募する、
という「二段階戦略」も考えられます。

実際に私はこの二段階戦略をとりました。


応募企業の選定のみならず応募の進め方の戦略についても、

ヘッドハンターの知見を最大限生かしながら固めていくと良いでしょう。



以上、ヘッドハンターと相談しながら決めるべきことを説明しました。
次回のエントリーでは、必要となる応募書類とその書き方についてご紹介します。