昨夜、録画していたNHKのSONGS「吉田拓郎70歳のライブ」を見て、ひとり静かなる感動に浸っていた。



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サブタイトルは、「今だから人生を語ろう」

何故、70歳にして、ライブをしようとしたのか?
青春とは?
音楽とは?
人生とは?

自分達が中学1年生で、ギターを弾き出し、フォークを口ずさみ出した頃、日本のシンガーソングライターの中心、フォークの神様、大人や社会にもの申すスタイルリーダーが、吉田拓郎だった。


「旅の宿」「結婚しようよ」「人生を語らず」などの名曲を残し、小室等、井上陽水、かまやつひろし達と「フォーライフレコード」を設立した時は、まさに時代が動く衝撃を感じたのを記憶している。



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その吉田拓郎が70歳でライブをしたことに、心から感動した。

確か、肺がんで倒れ、テレビにも出なくなり、ライブもしなくなり、その後の消息すら、あまり伝わってこなかったような気がする。



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それが、昔のままの姿と声で、吉田拓郎の音楽を奏でていたのである。

今年、10月27日、横浜市のパシフィコ横浜国立大ホールで、2時間30分、彼はフルスロットで歌い続けた。



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その練習やリハーサルは、1ヶ月半、ビッシリと細部まで詰め、何度もなんども積み重ねたそうである。

「寝ている間に、こむら返りが痛かった」「歳をとるのは嫌だな、体力がもたない」と、ソファーに横になる。

年齢との戦いである。

しかし、良いライブ、良い本番は、練習をどこまで詰めて積み上げるかに限るというのだ。

一流のアスリートも、アーチストも、ビジネスマンも、段取りや日々の積み上げが成果を生むのは同じである。



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ライブ中、彼が突然、リスペクトしその背中を追い続けてきた、ボブディランの「風に吹かれて」を歌い出した。

ノーベル文学賞を受賞したボブディランを讃えているのである。



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スタジオのトークで彼は、70歳にして、自分の体の中に、燃えるものが無くなった。

エナジーを入れそれを燃焼し、もう一度命懸けのライブをやりたいと、強く感じたと言う。


そして、音楽の中に自分がいて、音楽に包まれていることが、最も幸せであると話す。



今だから、人生を語れるかもしれない…と。

若い頃は、テレビもラジオも、出ることには抵抗があった。

東京を嫌いだった。

反骨があったと言う。

彼の曲の原動力は、支配からの脱却、自由自在な自分だったんだと思った。



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彼の存在感は、素晴らしかった。



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ライブのラストは、見たこともない拓郎がいた。

何度もなんども、お客さんへ深々と頭を下げ、涙を流していた。

自分も涙が流れる。


時の流れは早い。

そんな中、やはり、吉田拓郎は吉田拓郎であった。