先日、ある方々達と、老舗料亭『亀松閣』で夕食をとった。

ちょうど、桜が散り始めの頃だった。



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外に咲く桜がライトアップされ、とても心が癒される。

この日の亀松閣は満員御礼がでるほどの混みようで、山形の行政、金融、経済、文化、政治のトップの方々が、ほとんど足を運んでいらした。



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亀松閣の社長兼板長の笹原さん。

自分の父親と笹原さんの父親は山形大学の同級生で、父と母の結婚披露宴も、この亀松閣である。

同級生の先代が若くして亡くなり、今の社長の笹原さんが、京都の『瓢亭』で修行されると、自分の父は、京都に行き顔を出し激励してくるぐらい、当代の笹原社長に期待と愛情を注いでいたのを記憶している。

もともと明治天皇の御宿泊所として建設された、この『亀松閣』とは幾重ものご縁がある。

山形の6ヶ所の老舗料亭(六曜会)を、山形市の食文化の宝と位置付けたのも、料亭文化を愛した父であった。



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自分も、そんな亀松閣さんに、毎月1、2度は、お客様を連れてくる。

役所広司さんや、北川景子さんや、北乃きいちゃん、行定監督や矢口監督、小山薫堂さんなどからも、とても喜んでいただいた。



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最近、お客様に対して、商品をお客様一人一人の要望に合わせて提供する対応力が求められるが、それを開発し商品化するのを『シーズ』という。

いわゆるメニューに載っていない、そのお客様だけへの取って置きのサービスである。

これは、古くからは、『粋』なはからいとも言われ、そこの店の魅力や、その人物の器を作り上げる。

サプライズ効果も必要であるし、相手への思いも伝えられる提供物である…ある意味で、クリスマスプレゼントと似ている。



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この日、突然用意されたテーブルに、笹原社長の取って置きの一品、『笹だけと山形牛の蒸し焼き』が提供された。



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桜の花が添えられて、『春という季節を食べている』そんな気持ちになったのである。


現社長も、その女将さんも、最高のスキルに、人間力を持ち合わせた方々であり、それが素晴らしい料理と風情を醸し出すのである。



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歴史や繋がりや技や心が、ひとつになって、その場所の鮮やかな色を放つのだろう。


そんな山形の良さを、多くの方々に、触って欲しい。