今年の秋は、ふたつの映画祭が山形ではある。

ひとつは、『山形国際ドキュメンタリー映画祭』世界の3大ドキュメンタリー映画祭に位置づけられる山形の誇りともいえる映画祭である。



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もうひとつが、YMF山形国際ムービーフェスティバルであり、日本ではほとんど消滅してきたタイプの映画祭である。

若手監督やクリエイター達の登竜門として位置づけられ、未来の商業監督を発掘する為の映画祭であり、選考委員長は村川透監督(山形県出身)から就いていただいている。



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YMF山形国際ムービーフェスティバルの大きな特色は、最終選考に残った10作品の中から、グランプリを取った監督には、スカラシップ資金(次の映画を作る奨励金)1000万円を贈る。
準グランプリで500万円と、日本では最高額を支援する映画祭として、一躍有名になり、ピアのフェスティバルに続く若手クリエイターの登竜門となっているのだ。

毎年開催し、今年で9年目を迎え、第9回目の開催となる。



東日本大震災までは、スカラシップ総額は、約2000万円から3000万円。

スカラシップ作品は、東北が撮影地を義務づけている。

スカラシップ作品の山田監督の『ハッピーエンド』(1000万円)や、三宅監督の『ロスト&ファウンド』(500万円)は、アメリカのオースティン映画祭で、グランプリや最優秀観客賞を受賞している。


運営費を含めると、総額は約4000万円から5000万円かかり、協賛企業や運営委員会の善意で成り立っている。

昨年より、各公民館への出前映画祭、2回にわたる市民大学、市民による映画づくりのワークショップ開催、…これらの新規事業に、山形市より上限700万円が、補助金として出された。

ただし、新規事業費の7割の補助金である。

なので、映画祭の経費4000万円から5000万円は、やはり今まで通り、協賛企業か運営委員会の企業からの支援であり、民間企業のみの支援で成り立っている。



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奥山清行氏がデザインした、世界で唯一のトロフィーの価値は、映画界ではアカデミー賞のトロフィーより値打ちがあるとささやかれている。

山形鋳物で菊地保寿堂が作った傑作でもある。



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先日から、数回にわたり、今年のYMFの運営や、プロの監督の招待作品等について、話し合われた。
映画『おしん』とのコラボレーションも重要である。



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山形市からの補助金によって、間違いなく山形市民への映画文化の浸透は促進されているが、運営側としては、その分さらなる資金の持ち出しや、労力が大変な為に、マイナスになっているとの指摘もあり、来年度は再検討の必要があるとの声もあった。



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ドキュメンタリー映画祭には開催年で約1億円の補助金と開催しない年には約5000万円の補助金が20年間。

また、コミュニティーFMラジオ局へは、打ちきられていないとすれば、毎年約1000万円の補助金が15年間くらいは出ているだろう。

YMF山形国際ムービーフェスティバルには700万円が2年間。
それも上記の二者には、固定で全額出ているが、YMFは事業費の7割である。


自分は、今までは、すべてが山形市民の文化的価値を創造するものとして、山形市の文化行政を支持してきたし、これまで自分達も貢献しようとしてきたと自負している。


しかし、来年度は、これらの補助金を、すべて見直す時期にきているような気がする。
時代からすれば、少し偏りすぎているように思う。


東北電力の値上げや、消費税のアップは、山形市内の中小企業を、さらなる苦境に追い込むのは必至であるからだ。

景気のさらなる低迷期に入る現状を鑑みるに、YMFも含めて、映画事業やコミュニティーラジオへの補助金など、すべて止めるなら止めるとし、同時に、それ以外も、すべての補助金を精査し、見直しをする時期であると思う。


本題に戻るが、YMF山形国際ムービーフェスティバルの募集が、いよいよ8月末日に迫った。

そして、先日、アメリカのロバート・レッドフォードにより設立された30年の歴史を持つ『サンダンス映画祭』から、コラボレーションの話しも来ている。


是非、将来の映画監督を目指している方は、応募して、チャンスを手にして欲しい。