ある勉強会とその懇親会の席上、現山形銀行の長谷川吉茂頭取のお父上である、長谷川吉郎氏の話題になった。

話題になったというより、若手経営者が多い勉強会なので、参加者が吉郎氏を直接的には知らず、吉茂頭取のお父上という方は、『どんな人物でどんな生き方をなされたのか?』ということに、興味を持ったというのが正しいかもしれない。




2日後、『長谷川吉郎従軍記』という一冊の本が届いた。

『恵存』と記され、自分の氏名を、為書きまで自署してくださった、長谷川吉茂頭取から送られた本であり、既に廃盤になっており、残り数冊しかないという貴重な宝である。

『恵存』…とは、大切にしてほしい。自分の側にずっと置いて欲しい。…という意味である。


本では、大正時代から、昭和、平成と、81年間を、逞しく熱く生きられた、吉郎氏の人生が、編著をなされた吉茂頭取の調査力と筆力もあってか、絵巻物か映画のように甦ってきたのである。

この本を読んで、何て自分達はまだまだ甘いのか…と、生きると死ぬが交錯する時代や、その瞬間に決断と覚悟をもてる力に、圧倒的に打ちのめされた。

とにかく、自分達は、まだまだ甘いのである。




少なくとも、あの勉強会に出ていたメンバーには読ませたいと思い、ある印刷会社の社長O氏に相談して、本の複製本を作ってもらったのである。





そして、その複製本を、その勉強会で全員に配って頂いた。




そこからは、長谷川吉茂サイン会となり、全員がその本に為書きと『恵存』という文字を書いてもらった。




これからの、人口減の高負担社会の中で、魂と賢さと情けと智恵が、いかに必要か…そんな生きざまが溢れている本である。




長谷川吉茂頭取が、先人を敬い、歴史に精通し、さらには現状を把握し、未来を読む。

その一部を垣間見た感じがしたのであった。


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