ケーブルテレビ山形が開局してから、10月1日で16周年になる。


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他の民放との大きな違いは、山形市や天童市などの地域を専門としたコミュニティーチャンネルを24時間放送していたことである。


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地域の情報番組『バイキングステーション』では、様々な地域のニュースや、お店や学校の情報ナドを紹介し、さらには地域の有名人を続々作り上げてきた。

『エプロンこんちゃんの山形お手伝い』の、こんちゃん。

『さとみの漬け物講座』の、さとみさん。

『アニバーサルワイン』の、水口牛さん。

『隼人組』の、隼人くん。

『ラブ&ピースハウス』の、加藤由美さん。

『ハローヤマガタ』の、RYOさん、ロナン、コーリー、ジャスティン。

『山形大捜査線』の、早乙女刑事。

様々な、地域の人気者を作り出してきたのである。


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トーク番組『今日とは違う、世界がある。』では、現在の鈴木淳予キャスターと、それまでの鈴木まり子キャスターが、地域のキーパーソンやパワーパーソンと2時間に渡って討論し、山形の未来を予見する。

端山貢明先生や石川敬義先生からはレギュラー出演をお願いし、素晴らしい考えを披瀝していただいた。

心の病を持つ方へは『テレビカウンセリング』という番組で、精神科医の東谷慶昭先生や、小児精神科医の神田秀人先生にアドバイスをいただく。

また、全国初の、ケーブルテレビ局連載ドラマを制作放映した。


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歴代アナウンサーの鈴木まり子さんと、井上知早子さん。

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同じく、佐藤友美さんと、現在活躍中の鈴木淳予さん。

優秀で魅力的で、花があるメインアナウンサー達である。

彼女達は、ケーブルテレビ山形の顔であった。


これらの市民チャンネルの取り組みで、16年の間で、山形を少しは知ってもらったのではないだろうか…。

まず知ってもらうことから、この街を好きになってほしいと願う。


開局前、自分が住むアパートの集会場に、若いお母さん方が毎日集まり、交通安全の『カモシカ倶楽部』の活動をしていた。

総理大臣がどうだ、中東で戦争が始まる…テレビから流れるニュースは、とても重要なニュースである。

でも、集会場に集まっている若いお母さん方にとっては、それ以上に愛すべき子どもさん達の安全な通学路の確保の方が、よっぽど大切なんだろう…そう思った。

その時、目から鱗が落ちた。

『ここに、こんなに輝いている物語があるじゃないか!』

小さいけれど、されど尊い物語。

きっと、命の数ほど物語があるのだ…そう確信した瞬間だった。

それを、誰か受け止め、耳を傾けているのだろうか…?

これこそ、ケーブルテレビ山形の役割なのでは…そう思ったのだった。

『スタジオは私たちの街、主役はあなた』

そんな、アスファルトの隙間から出た、一輪の名も無き花のように、そこに宿る命や息吹を大切にしたい…そう思った。


最近は、かなり番組づくりからは離れている。

まだまだ、若い制作者達に、『五感と心理』の関係性を伝えきってはいない。

しかし、彼達も、ひとつひとつ悩み苦しみながら、市民チャンネルを守り進化していって欲しい。

秋…月が綺麗だ。

スタジオで、自分が編集するのを、制作部みんなで協力してくれたあの懐かしい日々。

あんな日は、もう来ないだろう。

歳を重ねると、いつの間にか、仕事が山積みである。

ひとりひとりと、これから先、どれくらい言葉をかわせるのだろうか…。

寂寥の季節である。