安田靫彦展ほか | 事実追求 真実探求

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ちょっと立ち止まって、考えてみよう

・川崎市市民ミュージアム:安田靫彦展 歴史画誕生の軌跡
・金沢文庫:金沢文庫の絵画 & 称名寺
・出光美術館:茶 Tea -喫茶のたのしみ-
に行ってきた。


・ニューオータニ美術館:安田靫彦展-花を愛でる心-
・浮世絵 太田記念美術館:広重「名所江戸百景」の世界
とあわせて、簡単に感想を書く。


(1)安田靫彦展
ニューオータニ、川崎市民ミュージアムとも
本画よりも、下絵・スケッチの類が多い。

だから、会場全体を眺めると、
やたら白い画面が多い。
一瞬、これでも展覧会かと思う。


では、つまらないかと言うと、そうではない。
見方を変えれば十分、楽しめる。
一つが鉛筆の線、二つ目が補助線の妙だ。


鉛筆の線。
展示作品の中に、力強い鉛筆の線の下絵がある。
下絵だから、一発で決めている線ではない。
でも、鉛筆の線は真っ黒く、力強い。


靫彦の線は(靫彦以外もそうか?)、
ある程度太い線になると、
本画の場合、淡い色になる。


でも、この下絵の線は非常に力強く、
本画にはない迫力がある。


補助線の妙。
川崎市市民ミュージアムで
大きな作品になると、
いろいろと補助線が見られる。

規則的に書いたマス目の線もある。
それよりも、不規則に引いたように見える
補助線が面白い。
もちろん、その線上に腕があったりするのだが。


何度か書いているが、
作成・思考の過程は、
そう簡単には見られないだけに面白い。





(2)太田記念美術館
ここの年間パスポート会員になってしまった。
何度でも行ける。
前後期などをあわせると、
1月ごとに展示内容が変わる。

となれば、年間4000円ではお得、
と考えて、会員登録だ。
ただ原宿の混雑はイヤだが。


さて、広重「名所江戸百景」の世界
の内容だ。

今回のメインの作品は確か1856-1857年頃で、
壁際に沿って、四季にそれぞれに分かれて
展示してある。


でも面白く感じたのはそれらではない。
それより、20年前くらいの作品だ。


「名所江戸百景」へにつながる作品として
紹介してあったと思う。
2Fの展示ケース(と言うのか?)にあったが、
額縁があったわけでも、
軸装されているわけでもない。
そのままあるのだ。


何か分からないが、興奮するのだ。





(3)金沢文庫 & 称名寺
金沢文庫。
多分お初。
作品との距離が近いように感じられた。
古い作品も多い。


それも手伝って、
ありがたみとか、神妙さを感じるのだ。


ちらしにある「寅神」も展示してあるが、
イメージがかなり違う。
明るさが全然違う。

ちらし明るい環境で写真を撮ったのか、
画像の加工で明るくしたのか、
印刷時に明るい色を使ったのか分からない。
展示してある環境ではずっと暗い。


すると、たまに考えることなのだが、
「色」って何なのだろう、と思う。


また、昔の絵が作成された当時は、
直接ではないだろうが、太陽の光だけだ。
ろうそくの灯の下では絵は描かないだろうし、
白熱球、蛍光灯、LEDの照明なんてあるわけがない。


テクノロジーのもとでの作品鑑賞も
新たな発見があるかもしれない。
当時の想像をするのも、
それはそれで楽しい。



称名寺。
多分、平等院を模して造られたのだろう。
単に寺があるだけでなく、
池あり、背景に山あり贅沢な
空間だったであろうことが推定できる。

さらに五重塔もあったようなので、
贅沢の極致だ。





(4)出光美術館
それだけではないが、茶道具が中心である。
茶道具には、
オレの主に求める「凄み」が
なかなか感じられない。


でも、それとは違う魅力・見方・面白さが
発見できないかと見ている。
まだできていない。