私の悩みを返してください。
これは、認知行動療法を推進する大野裕と実際に認知行動療法を受けた当事者の対談の中で出た当事者の言葉である。

この言葉の重みを感じられるだろうか?
悲しみや苦しみは人として必要な感情である。それを失うことは人間で無くなると言ってるに等しい。そして苦しみや悲しみを感じなくなることがまたその人を追い込む。

電気ショックで記憶を奪われた人も、記憶を失うことの苦しみを口々に語る。
うつモデル
これは、薬害オンブズパーソン会議の主催したデビッド・ヒーリーのプレゼンで使用されたうつ病のポスターである。左の高齢の女性はかつての旧い抗うつ剤のポスター、右はSSRIルボックスのポスターである。かつてのうつ病患者は、高齢の女性が多かったためにポスターは高齢者の女性が使われている。1990年代にうつは誰にも起きるとされ、モデルも若くなっていった。最近では子供もうつ病になるとされ、行きつくとこまで病気は拡大された。

しかし、この2つのポスターには別の意味も含まれている。
右の女性は、溌剌と歩き、実に楽しそうなイメージなのである。
実際に、ルボックス(デプロメール)はハッピードラッグとして宣伝された。
これらの薬は、一時の幸福感と引き換えに、人々から感情を奪うのである。まさに麻薬。

仏教は、人生は四苦八苦で満ちているとし、生まれ出ることも苦と呼んでいる。
私も、人生の大半は苦で出来ていて、時折訪れる安息や楽しい出来事はご褒美のように思っている。そのご褒美のために生きているといってもよい。その時々のご褒美ですべてが報われる。それを希望と呼んでもよい。

現代の日本人は、まさに苦難の時代を迎えている。長い低成長の時代を通じ、サラリーマンの給料は確実に減っていき、かつての団塊の世代の経験したような成長は起きるべくもない。徐々ではあるが確実に低所得者層は増加し、中産階級から少しずつ零れ落ちていく。
その流れに沿って現れたのが、ハッピードラッグ、抗うつ剤SSRIであったのだ。
幸せでないのはあなたのせいではない。幸せでないのは、あなたが病気だからです。苦しむ必要はない。この薬を飲んでハッピーになりましょう。
これが、うつ病キャンペーンに巧みに組み入れられたメッセージなのだ。

「人々の苦しみを軽減してあげたい」と良心的な精神科医は言う。
そして、抗うつ薬を処方する。
もしくは、考え方を変えて、社会に適応するように認知を変えるように指導する。
こんなのが、精神科医の仕事なら、精神科医など要らない。
前者は、緩和ケアの仕事であるし、後者は、心理士で十分である。

精神疾患が本当に脳の病気であるなら、こんな話は必要ない。
トーマス・サズの言う通り、本当にそうなら、脳の疾患として治療すべきものである。
しかし、もし、精神疾患が、その人間が置かれた厳しい環境や人間関係において受けたストレスを体現しているものとしたならば、根本問題の解決により、その苦しみや悲しみを薬なしで乗り越えられることを我々は知っている。名作といわれる映画や小説の多くは、そういう物語である。

「眠れないお父さんは鬱かもしれません」というキャンペーンは、
お父さん、薬を飲んででも、とにかく頑張れということだ。
世のお母さん方は、それで良いですか?
あなたのお父さんは、眠れないほど、会社で無理をさせられてるのかもしれないのだ。
解決策は、会社に改善を要求するか、転職することでしょう。
向精神薬は、悩みを感じなくさせるかわりに、戦う力を奪い、ひいては社会の自浄能力も奪っていくのだ。

発達障害者支援法の条文を読んでほしい。
そこにはこうある。

発達障害者支援法
第2条第1項の政令で定める障害は、脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害とする

発達障害という病名に私がアレルギーを起こすのは、この記述のせいである。ADHD症状を呈する子供が脳機能の障害である証拠などどこにもない。

客観的な診断方法もない。へたをすれば、親や教師の主観によって精神病のレッテルが張られている。そしてなにより、治療に使われている薬剤の効果もリスクも実にいい加減なのだ。
その特性により不利な状況におかれている子供を支援することに異論はない。
だが、この発達障害という概念が此処まで拡大されてきた歴史と行われているデタラメ治療の実態に気が付けば、製薬会社とその御用医師により推進される発達障害概念が広まることに反対せざるを得ない。発達障害概念は、いま一度、教育者、心理学者が中心になり、再定義するべきだと思う。

長期の抗うつ剤、抗精神病薬(リスパダール)を投与された子供には、いつの間にか様々な興味を失い、感情を失っていく子供が大勢いる。
薬は、そもそも人間がもつ、様々な苦悩、それを克服する力、さらには克服の喜びさえ奪う。
人間を、単純な化学物質によってコントロールできるなどと考えるのは、あまりにも愚かである。


精神医療被害連絡会の勉強に参加ください。
正しい知識を身に着け、共に対策を考えましょう。

8月17日 定例、精神医療問題勉強会in東京(お茶会)参加費用1000円+お茶代
お茶飲みながら、お気軽に参加ください。*あと若干名


8月23日 ウイングス京都 13:30~
第8回関西定例勉強会 
薬物治療の問題、子供の薬漬け問題と虐待、DVシェルター、児相問題を取り上げます。
関西での具体的な改善活動への取り組み。共に改善策を練りましょう。

8月24日 きらめきプラザ 13:00~

【主催】精神医療・薬害問題を考える市民勉強会
【共催】精神医療被害連絡会 全国オルタナティブ協議会準備室

第2回精神医療問題勉強会イン岡山
当事者、ご家族、医療者。福祉職の皆様の参加をお待ちしております。
医療者、福祉職、注目です。

8月25日 関西カウンセリングセンター 14:00~
市民と支援者の為の向精神薬の基礎知識 
薬の知識の徹底解説。薬剤師、医師の方の参加も歓迎します。一般の養成教育では得られない知識が学べます。

9月7日 相模大野 ユニコムプラザさがみはら
野田正彰先生、現役精神科医をお招きして、この問題の本質を語っていただきます。そして我々はいかに対応すべきかを議論します。
精神科医の紐解く現代精神医療問題
一般の方々はもちろん、医師、医療者そして支援者の参加を熱望します。一度、お話を聞くべきです。

10月19日 仙台市民会館
【共催】我が子に会いたい親の会、精神医療被害連絡会
子どもたちへの安易な向精神薬投与の 問題性について考える

その他開催の決定している勉強会・セミナー
10月4日 沖縄
10月10日 札幌
10月13日 熊本
10月18日 仙台
10月25日 岡山
10月26日 島根