治療の良し悪しを評価するなら、
大切なことは、症状が治まったかどうかではなく、その人が健全な社会生活を送れているのかどうかで判断されないといけない。

うつ病で言えば、うつ病と診断された人のうちどれ位の人々が仕事を継続出来てたか、または休職後どれ位の人が回復できたかによる。

平成24年度の教職員の退職者数は、最近のニュースでわかった。
教育現場で負担増大? 精神疾患で教員641人退職 平成24年度
そしてこれは、いつも使っている教職員の休職者数の推移である。
教職者
このデータでの一番新しいデータは平成22年度の5408人である。
つまり毎年5400人位がうつ病が理由で休職しているが、そのうち毎年600人位退職し、また新たに600人位が新たに補充されているのである。
この急増が始まったのは1998年(うつ病薬物治療元年:私が命名)である。

次にウィタカーの著書からうつ病の薬物治療の転移研究の結果のみ引用する。

●イギリスの研究者による研究
投薬なし:半年で62%が症状が軽減
投薬あり:半年で33%が症状軽減

●オランダの10年転帰研究
投薬なし:76%が回復、再発なし
投薬あり:50%が回復

●カナダの研究、短期休職した1281人の研究
投薬なし;83%が回復(平均77日)、9%が悪化して長期休養
投薬あり:73%が回復(平均105日)、19%が悪化して長期休養

●アイオワ大学の6年転帰研究
薬物治療は、(薬物治療なしと比べて)休職になる確率が3倍高く、退職になる率が7倍高い
*ただし、薬物治療なしは軽症。

●生物学的精神医学の祖クレペリンは、「うつ病は治療しなくても、一般に6~8か月で治癒する」と述べた。

いずれにせよ、転帰研究では、薬物治療はかえって病気を長引かせ、悪化させていることがわかる。
しかし、諸外国の例では、投薬なしに比べると成績は悪いが、
一応7割近くが回復していることがわかる。(日本の薬漬け状況では、この数字はさらに悪いのは間違いない。)
なので、世間に良くいる、「私は薬物治療で治った」という人が存在するのは当たり前である。
その証言をもって薬物治療が効果があるというのは、意味がない。転帰研究の結果をみれば、その人も薬物治療を受けなくても回復した可能性は高く、おそらく治療期間も短かったはずなのだ。

そもそも、うつ病であろうがなかろうが、心身が不調であれば、休職せざるを得ない。
1998年以降に、5倍もうつ病による休職者だけが増えるのは異常である。
無治療での転帰を考えれば、5400人の内、8割以上の休職者は1年以内に復帰せねばならない。

もう明確でしょう。薬物治療が失敗しているのは。
精神科になど行かないで、ゆっくり休養して居るほうがよっぽど良いということです。


この精神疾患の薬物治療の弊害について学ぶことが出来ます。
8月17日新宿14:00より(カフェでお茶飲みながら少人数で)
https://www.facebook.com/events/265769416950210/