厚生労働大臣・厚生労働省への要望書
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勉強会のお知らせ

こうした活動をやっていると良く聞くのが、標題の言葉である。

個別の事例では確かにそういう事もあるだろう。
だが、よくよく聞いてみると頭をかしげたくなることも多い。

良くなっていると言うのがどの程度のことを指しているのか?
入退院を繰り返して、現在は多少落ち着いている程度なのか?
そもそも、初診の診断は何であったのか?
治るのが当たり前のうつ病で何年も患ってはいないのか?

そういってる本人に告げるのは心苦しいが事実はこうである。
・統合失調症の自然転帰は、7割が自然に治癒する。長期の薬物治療の必要な統合失調症患者は、多く見積もって1割から3割である。
・うつ病は3か月から半年の間に、ほぼ100%治癒する。
・短期交代型の双極性障害は、うつ病治療の失敗である。
・統合失調症の発症は10代と40代(特に女性)にピークがある。
・初診時の診断が、不眠症や不安、うつ病であった方が長年治療を受けているとすれば、それは薬剤性の精神疾患である。
参考:薬物治療の転帰

最近の精神科医は、再発を防ぐために、薬は飲み続けないといけないと言う。
だが、事実は、長期の薬の服用が必要なのは統合失調症のごく一部の患者のみであって、他の疾患で薬を飲み続けるほうが良いなどという研究など何処にもない。

だが、何が何でも断薬を奨めることをお奨めはできない。
減断薬をした方が、全体として転帰が良いのは間違いない。特に気分障害系(うつ、双極性)はそうである。
だが問題は、長期の向精神薬を服用してきた方達は、すでに薬剤性の精神疾患になってしまっているということ。
子供の時から、向精神薬を服用させられてきた方は特にその傾向が顕著だ。
これはこれで、ある意味立派な病気なのである。
多剤やカクテル処方は論外、単剤にすべきだが、問題はその後どうするかである。

私は、この精神科医の対応が正しいと思う。
事実を知ったある精神科医のジレンマと取った行動

事実を伝えた上で、減断薬に取り組むかどうかは、第一に本人、第2に家族の意思を尊重すべきだろう。