もう全て判明したと思う。
精神医学の主張する理論は、あまりに稚拙で、とても科学的な議論に耐えられない。
また社会学的な見地からも、その有効性は証明できないし、むしろ弊害の方が証明可能だ。

こうなるともう残された道は、権威によって無理やり反対意見を押しつぶすか、いろいろ理由を付けて軟着陸を試みるかどちらかである。時間の問題である。

この活動を始めた当初、私は精神医療なんてものは無くなってしまえと思っていた。
ところが一緒に共闘頂いている先生の話を聞いていると本当の精神医学はそうではないという。かつての精神医学の教科書の基本中の基本であった精神分裂病の自然転帰を研究したのはスイスのブロイラーという精神科医である。先生によれば、このブロイラーはその人生を通じて精神病患者を観察し、誠実に研究を行ったという。
次は、先生が他分野から戻り、現在の精神医療の実態に触れた時の感想である。

 こうして98年以降の精神科医療を見ていると、精神科医全員が妄想を抱いているのではないかとすら思える。チェックリストでの診断、うつ病のセロトニンやカテコールアミン仮説、ストレス脆弱説、長期あるいは生涯にわたる服薬が再発を防ぐ等々。仮説を毎日聞き、自らも唱えていると、事実に思えてくる。どれも思い込みから来ている。真の妄想病ではないのだから、なんとか教育と精神科医療を変革すれば、市民は救われる。それまで、私たちはいかに自分と家族、友人、同僚を守れば良いのか、大きな問題の前にある。

 なるほど、私が調べた精神医学の嘘とぴったり符合する。先生が具体的にうつ病治療をどのようにやっていたかという問いの答えは十分に私を納得させるものだった。ただその答えは、現在の治療の姿とはかけ離れていて、それを現在の精神科医達に実践させるのは不可能に思える。先生と同年代の精神科医にも何人かあったが、多少先生に通じるところはあるが、所詮、今の惨状を招いた首謀者ではないが共犯者である。

 精神医学が優生学と結びついてナチスと共に行った蛮行に加担したことも明確な事実である。その罪に対しドイツ精神医学精神療法神経学会 (DGPPN )は、2010年総会において 謝罪表明を行っている。

 近年急速な充実ぶりを示しているドイツ 精神医学精神療法神経学会 (DGPPN)は、2010年11月のべルリンにおける年次総会の中で、ナチス時代にドイツ精神医学の名のもとに強制移住、強制断種、強制研究の被害を強いられ、また患者として殺害された犠牲者をしのぶ追悼式典を開催した。そして自らの先行組織やドイツの精神科医が与えた不正と苦しみに対して犠牲者およびその家族に謝罪した。またその後今日まで、あまりに長くつづいた学会の沈黙、些少化、抑圧に対しても謝罪した。約70年を経ての学会としてはじめての罪の確認であり、謝罪であった。この追悼 式には3,000人の精神科医が参加した。追悼式典は、DGPPNではじまった目下の調査と討論の過程の具現化である。今進行している研究プロジェクトは、DGPPNの先行組織とその代表者が、精神疾患患者のいわゆる安楽死プログラムや断種、あるいはユダヤ人、ポーランド人の反抗的な精神科医の追放、そしてナチ政権のそれ以外の犯罪にどの程度関与したかを明らかにする予定である。

ドイツの精神医学会は、その恐ろしい人権侵害について正式に謝罪・反省したということだ。しかしこれは70年前の蛮行を今になってやっと謝罪したということ。あまりにも遅い謝罪ではあるが、自分達の蛮行を理解していない我が国の精神医学のリーダーたちと同時代の精神科医とは思えない。アメリカや豪州の精神医学会とも明らかに違う。精神科での監禁拘束・入院者数、デタラメな薬の使い方を加味すれば日本が一番酷いことだけは明白である。先生の言う正しい精神医学があるとすればそれは欧州にあるのだろう。

先日、連絡会にメールをくれた精神科医は、そのメールで精神医療の負の歴史を忘れ、同僚の知識不足、精神医学会幹部への不信感を綴っている。そもそも、精神医学が精神疾患患者ではなく、町の浄化に使われた歴史、治療ではなく唯の鎮静であったことを忘れ、鎮静を治療と称していることを認めた。そして多くの精神科医は深く考えず、流されて今に至ったと説明した。これは正直な感想だろう。其の医師は、自身の患者に減薬をすすめ、その経過をまとめて報告したいと言っている。これは以前紹介したウィタカーの本を読んだアメリカの精神科医の行動と同じである。
ワシントンポストある精神科医の投稿

私は正直混乱した。彼らの事情まで知ってしまったような気持ちになってしまったからだ。
でも私は、医学界の人間ではない唯の一市民であるから、医学界の立場になって医学界を擁護する必要などないし、きちんと社会から批判することが自分の役目である。

日本の精神医療の罪は、その規模、質においてもナチスの蛮行に劣らない。
ナチスの蛮行に加わった精神科医の罪は70年たって正式に暴かれたが、この日本での蛮行はいつ裁かれるのか。被害者団体として何を求めていけばよいだろう?

罪を裁くのは、我々の仕事ではない。
やはり、最重要事項は、これ以上の被害の防止と被害者の救済である。
きちんと間違いを批判し、市民の健康に資する医療を求めること。

謝罪は70年後で結構とはいわない。だが、どうせ謝らないだろう。
けれども、もう市民は気づき始めた。知識も得つつある。権威で抑えつけることはもはや不可能である。

要望書には、すぐにでもできることだけ書いてある。すぐに改善に取り組んでいただきたい。これができてやっと先進国並みである。謝罪より黙って改善をお願いしたい。

署名協力お願いします。