国立医薬品食品研究所報告(平成23年度より)

FDAの大規模副作用報告データベースから解析。
1997年第4四半期~2010年第4四半期の247万6827件。
色々とネタ満載なので、何回かに分けて書きます。

まず、小手はじめに抗うつ剤の重篤な副作用報告のデータの一部を紹介したい。
各薬剤の全体の処方数が不明なのですが、
同じ副作用の他薬剤の出現状況と比べることにより、各薬剤の副作用の傾向が判るように統計処理されています。
PRRとは、その薬剤に特有な症状であることを示す数値です。他の薬剤より何倍その副作用が出やすいか捉えて頂ければよいかと。
また、これはアメリカFDAのデータですが日本からの副作用報告も含まれています。
当然のことですが、これは氷山の一角です。
左から、セロトニン症候群(件数/PRR)薬剤離脱症候群件数/PRR)錯乱状態(件数/PRR)

クロミプラミン  セロトニン症候群(120/29.23) 薬剤離脱症候群(60/2.30) 錯乱状態(172/3.63)
ミルタザピン   セロトニン症候群(260/14.36) 薬剤離脱症候群(271/2.28) 錯乱状態(607/2.82)
パキセロチン  セロトニン症候群(709/11.81) 薬剤離脱症候群(884831.54) 錯乱状態(2625/3.36)
セルトラリン   セロトニン症候群(530/8.88) 薬剤離脱症候群(1001/2.44) 錯乱状態(1566/2.08)
デュロキセチン セロトニン症候群(239/8.87) 薬剤離脱症候群(745/4.33) 錯乱状態(599/1.88)

注目すべきは、SSRIパキシルとSSRIジェイゾロフトの数値です。
パキシルの特出する薬剤離脱症候群の件数8848件とPRR値31.54と言う数字。
パキシルは、他の薬剤と比べ31.54倍、離脱症状がでる薬だという事です。
パキシルが如何に抜きにくい依存薬であり、離脱症状を引き起こすかが分かります。

パキシルに離脱症状など無いという医師がいればこの数字を教えてあげてください。