今まで判明した事実は以下の通りである。

20代、30代の自殺率は増加傾向にある。
40代横ばい。
50代以上の自殺率は減少傾向にある。
(全体の絶対数だけ見ていても判明しない。)

今までの自殺対策は次のようなものだった。

うつ病は自殺する病気であるから、精神科への受診をすすめましょう。
精神科に偏見があるから、他科の医師から精神科につなげて貰おう。
不眠はうつ病のサインだから、早めに精神科を受診しましょう。

それに対して、精神科サバイバーの証言は、全く逆であった。
「薬を飲んで死にたくなった。」である。
私の活動は、ネットを通じた情報収集であるから、情報は40代以下のサバイバーの情報がほとんどで、確実に偏っている。

33万件レセプトチェックの資料にあった性別・年代別抗うつ剤処方率と性別・年代別自殺率には相関が伺われる。

抗うつ剤の作用機序については、
従来のセロトニン仮説ではなく、血小板でのセロトニン作用の影響による血流の改善説が有力ではないのか。
かつて、うつ病が中年以降の病気であったこととも整合性がある。
若年層には害が多いが、中年層には効果がある?

中高年に対しては、自殺の副作用以外にも、他疾患との関連が疑われる。
逆に、微細な脳出血や脳梗塞を引き起こしていないか?
虚血性心疾患を引き起こさないか?

このように検証したい点は山のようにある。

政治や行政は、単なる点数稼ぎのような、自殺防止キャンペーンなど今すぐやめて、これらをちゃんと調査せよ。

自死に対する調査・分析が幼稚すぎる。社会的な要因に偏りすぎ。

注目すべきは、
性別、年代別に細分化すると自殺率と抗うつ剤処方率は、かなりのバラつきがあることである。
それぞれの性別・年代で相関の有無が、確認できれば決定的な情報になる。

この不毛な議論に終止符を打つことが出来る。

同じように、中毒死の解剖データをちゃんと調べれば、薬物中毒死の本当の事が判る。
自死や中毒死に、向精神薬が如何に関与しているのか、その初診まで遡及して徹底的に調査をすべきだ。

大した調査ではない。
もうデータがあることは分かっている。

やるかやらないかである。

精神医療被害連絡会では、
正式に自死及び中毒死に関する大規模調査を要求しようと思う。

やらない理由などない。
自死は、日本人の20代、30代の死亡原因のトップである。
なぜ突き詰めないのか不思議で仕方がない。