精神医療被害連絡会、設立趣意書(ドラフト)







1.設立の背景




○見過ごせない数の被害者の存在




東京都23区内だけで毎年(平成13年~平成17年)100名以上の人が精神科の処方する薬で中毒死(約半数が自殺目的)しています。東京都内での不審死を解剖した結果です。




この数字を少ないと思いますか?警察が自殺と判断した事例は含まれません。あくまで不審死だけの数字です。また、病院での死亡は、含まれません。




方や、覚せい剤やMDMAなどの死亡事例は、年間数件に過ぎません。




いったい、毎年どれだけの人が、精神科処方薬を飲んで死んでいるのでしょうか23区の数字をそのまま、人口比で全国換算すれば、最低でも、年間1200人以上の人が精神科処方薬の中毒で亡くなっていることが推定されます。




また、全国自死遺族連絡会の調査によれば、1000件の事例のうち約7割の自殺者が精神科に通院中であったことが判明しています。




自殺者は、精神疾患を患っていたから、自殺をしたのでしょうか。




また、無差別殺人や肉親を殺害するような凶悪犯罪。その多くが常軌を逸した方法を取っています。ニュースでは、そうした犯罪者の多くが、精神疾患を患い精神科に通院であったと報道されます。




犯人は、本当に、精神疾患に患っていたから、殺人を犯したのでしょうか?




個別の被害報告を読むと、非常に多くの人から、精神科処方薬の服用後、自殺衝動や他害衝動があったことが証言されています。




そして、中毒死や自殺や殺人は、最終結果に過ぎません そこに至らなくとも、仕事を失ったり、学業に支障をきたしたり、通常の日常生活を送る事が不可能な状態におかれた人々(最終被害者の予備軍)は、そうした最終被害者の数倍から数十倍はいるでしょう。




本当にそれは病気のせいなのでしょうか?





○被害者には、救済される権利がある




私共は、精神科治療薬による薬物依存という医原性の病気が原因ではないかと疑っています。自殺や殺人、精神疾患の診断を受け社会生活を送れない状況に追い込まれた方々の多くが、精神科治療薬の副作用でないかと疑っています。




もしそうならば、その人々は名誉を回復し、しかるべき救済を受ける権利があります。




もし、精神科治療によるメリットを大多数の人が受けているなら、その為にデメリット(副作用)を受けた人には、社会的に救済を受ける権利があるということです。




真実を究明し、被害者の名誉を回復することが、最大の治療です。





○被害の二つの側面




精神医療被害には、2つの側面があります。


一つは、正しい診察、投薬かなされたかという医師をはじめとする医療側の問題。




もう一つは、薬そのものの副作用被害の問題があります。


欧米では、既に薬そのものの副作用被害に対し、訴訟が多数起こされていますが、この日本では、それ以前に薬理学を無視した不適切な投薬が行われています。


医師による不適切な投薬により、薬本来の問題をさらに深刻にしていると同時に、薬本来の問題を表面化を邪魔する障壁となっています。




薬の用量は、単剤での治験により決められた量です。併用する事により、薬本来が持つ副作用が相加的に増強されます。併用により引き起こされた薬害は、薬本来の薬害をさらに深刻化させているということです。




一部の薬には、自殺企図、攻撃性が現れることが医薬品の副作用があります。その副作用のリスクが、薬の併用により増長されているのは間違いありません。




不必要な薬の併用を防止する事により、結果的に日本の自殺者、凶悪犯罪に減少する可能性は大いにあります。


○被害の拡大を防止し、被害者の救済を求める試み




精神科医療における被害は表面化しません。


被害を報告する窓口がない。また監督する機関が用意されていないからです。




被害者の声を代弁し、しつこく改善要求する組織が必要です。


医療側の自発的改善に期待することには限界があります。


被害が表面化しないもうひとつの理由に、被害者もその被害者家族も世間に知られることを恐れ沈黙してしまう事にあります。ひどいケースでは、頼るべき家族からも理解されず孤独な戦いを強いられている人もいます。


方や、「うつは心の風邪」という精神科受診を勧める風潮がありながら、精神疾患に対する偏見は決して減っていません。被害者には、沈黙という選択肢しかありません。




沢山の被害者は居ることは確かです。けれど一体どれくらいの被害者が居るのか想像もつきません。




また、被害を訴えようにも、方法は医療過誤裁判を起こすくらいしかありませんですが、相手が医療という聖域であり、原告側に立証責任があります。




副作用報告制度が機能していないという問題もあります。冒頭で説明した都内の年間100件の薬物中毒死には、自殺ではない事例が半数含まれています。しかし、副作用報告にはこの数字は反映されていません。なんと副作用の死亡事例は0件です。現在のところ、副作用報告は、製薬会社と医療従事者に限られています。患者サイドからの医療被害/副作用報告を上げるシステムが必要です。 




薬害の歴史を調べると、そのほとんどは、被害が広がり隠しきれなくなって初めて発覚します。この問題も同様です。残念ながら、医療の自浄作用は期待出来ません。




また被害者が個別に、被害を感情的に叫んでも、効果は期待出来ません。


一般人が、ひとりで被害を訴えても黙殺されます。


具体的に個別の被害を吸い上げ、集計・分析し、大勢の患者の声として訴えることが必要です。


そして信頼し得る専門家の意見を取り入れ、科学的、医学的に主張を裏付ける必要があります。


さらに対応を監視し、実効ある改善がなされるまで繰り返し要求することが必要です。







2.当会の活動目的




・精神医療における診断/投薬/医薬品等に起因する容認できない被害の発生/拡大を防止すること・被害の所在をマスコミ、ネットを通じて社会に広く知らしめすこと


・被害者の代表として、厚労省、地方自治体に陳情すること


・被害の実態究明の為の相談窓口となること


・被害実態を究明すること・国内外の最新情報を配信すること


・精神医学界、学会誌などの情報を監視すること・副作用報告制度の刷新の要求すること。(民間の被害報告機関としての補完活動)


・訴訟の支援すること。(場合によっては集団訴訟)


・製薬会社、行政への公開質問を行い、回答を求めて行くこと


・訴訟事例を積み重ね、科学的、薬理学的、医学的な証拠を蓄積、公開すること


・死因究明制度の立法/施行を求めて行くこと


・薬物依存者治療施設の創設を求めて行くこと


・究極の目標として被害者補償を実現すること




被害者は、真実を知っています。


そして、被害者こそが本当の被害を知っています。


被害者の中には、専門家以上の知識を持つ人は沢山います。


そして何より、被害を訴える権利を持つのは被害者だけです。




そうした被害者の力を結集し、効率的に社会に訴えかける組織を立ち上げます。







3.当会の運営




NPO法人として活動します。




会員:被害者本人、被害者遺族、その他この活動を応援頂ける方


サポート会員:医師、薬剤師、弁護士など




資金は、会員の年会費、賛同頂ける企業、団体の寄付、また行政からの助成金も要求していきます。製薬会社、医療関係者からの資金提供は受けません。




運営は、ネット上のホームページ、メールマガジン、掲示板


電話&メール&面談による被害相談


被害事例、副作用のデータベースの構築


年数回のシンポジューム開催




一部の運営スタッフには、就労可能なレベルに回復し、現在就労出来ないでいる被害者本人に担って頂き、救済活動の一つとしたい。




精神医療被害連絡会発起人 中川聡