【今回の記事】

【記事の概要】
 ツイッターにアップされた動画にある母親の行動がネット上で物議を醸している。3歳くらいの子供(我が子)に対し、吹っ飛ぶほどの平手打ちをかましているのだ。
   動画は車内カメラで撮影されていて、乗用車が運行中に左側に駐車していたワゴン車の陰から3歳くらいの子供が子供用自転車で飛び出して来る。急ブレーキをかけた乗用車の前を自転車は通過する。後ろから走って追いかけてきたその子供の母親は運転席にいるドライバーに、「申し訳ありません」といった表情を浮かべ頭を下げたあと、子供の顏のあたりを激しく平手打ちし、子供は吹っ飛ぶように尻もちをついた。この動画を見た人たちは、
「こんなのは教育ではありません 暴力で子どもをしつけようとする人間は頭が悪い人です 貴方に子どもさんがいらっしゃいましたらこんなことはしないであげてください」
子どもが真っ先に親の顔を見ている+あの母親のどつき...黒に近い虐待サインですね」
「悪気はないのだろうけど子供がケガしそうな勢いで叩いてるからなぁ... ケガをしない力加減で叩けなかったら、それはもう暴力と呼ばれても仕方ないのかと思います」
などといったリプライがこのツイッターの動画に寄せられることになった。
   しかし、母親批判に対する反論も相次ぎ、
お母様も心臓が飛び出る勢いでお子さんに平手打ちしたんだと思います...。きっと私もそうなると思います。 子供にはまだ解らなくとも」
親として本当に心配してる証拠ですね。体罰いけないとか言うけど、危険に関わることは体に覚えさせる必要あるから」
「法的には平手打ちしたお母さんの行動は虐待に当たりますが、一歩間違えれば生命を失っていたかも知れない事なので、個人的には愛情、教育として間違っていない行動だと思います」
などといったリプライが寄せられ、全面対決の様相となったが、「母親としての立派な行為だ」という母親擁護の意見の方が圧倒的に多い
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【感想】
   普段から体罰や虐待に対して断固として反対の立場を取り続けてきた私ですが、今回だけは違います。この母親がとった行為は、我が子のためを思って叩いた母親による愛情行為と私は受け止めています。
   もしも、普段から体罰を繰り返しているような親なら反射的に単なる「罰」として子供を叩いているでしょう。しかし、平手打ちをしたこのお母さんが普段から体罰を繰り返している親ではないことがうかがえるシーンがあります。それは、そのその母親が運転席にいるドライバーに「申し訳ありません」といった表情を浮かべ頭を下げたシーンです。もしも普段から体罰癖のある親なら、ドライバーへの配慮など気にせず、一目散に体罰行為に走るのではないでしょうか?このお母さんは普段から理性的な態度で過ごしている方だと思います。
   また、子どもが真っ先に親の顔を見ている」のも、子供が親を睨んでいるのではなく、「普段はそんな事をするお母さんじゃないのに?!」とビックリして見たのではないでしょうか?
子供がケガしそうな勢いで叩いてる」のも、愛する我が子の命を失いかけた母親の想いがそうさせたのでしょう。まさに「心臓が飛び出る勢いでお子さんに平手打ちした」行為と受け止められます。

   我が子の命はこの世に2つとありません。その為命の危機に発展するような行動は絶対に起こさせてはならないのです。
   このブログでは再三お話ししていますが、人間は自分にとっての不利益な「結果」をもたらす「行動」はしようとしない生き物です(応用行動分析学より)ですからその「行動」を起こさせないために、子供にとってこれ以上ない不利益となる「結果」を与える必要があります。母親が大好きな子供ほど、普段殴られたことのない母親から殴られる以上の不利益はありません。ですから、今後その子供は、もう二度と“飛び出し”という「行動」に走ることはないでしょう。
   
   ちなみに、感覚過敏の特性を持つ自閉症スペクトラムの子供にとっては指導者から厳しい叱責を受けるということは、健常児が平手打ちをされるのと同じくらいの精神的なショックがあります。そんな子供を厳しく注意する為には、指導者がその何倍ものその子に対する愛情を持っていなければできません。ですから、もしも自閉症の子供がどうしても許せない行いをしたら、私は敢えて厳しく叱責した後にその子を抱きしめるようにしていました。「先生はあなたの味方だからね!」と言いながら。
   平手打ちをした後に「心配したよ」と言いながらその子を抱きしめてあげれば、ビックリした子供の心にお母さんの愛情が更に伝わったのかも知れません。

   何れにしても、私はこの姿が母親の真の愛情を表していると思います。